カルトと政治家の癒着に「激甘」な人たちが増殖した背景にあるのは…… 権力ある者の不適切性を過小評価する「ゆるふわ権威主義」 勝部元気 コラムニスト・社会起業家 安倍晋三元首相が銃殺される事件が日本中を震撼させました。遺族、身近な人々、熱狂的だった支持者等が悲しみに打ちひしがれているのは当然のことと思います。 ですが、日本に住む私たちが社会全体として最優先にやらなければならないことは、同じような事件を二度と起こさないようにすることでしょう。安倍氏の死をお涙頂戴的ナラティブに仕立て上げて消費したり、「自分が遺志を継ぐ!」という類の発言をする政治家に後継者の役割を期待するだけでは、再発を徹底的に防ぐことはできません。 そのためには、単に警備体制の改善だけではなく、凶行の背景には何があったのか、正確に分析しなければなりません。当然のことですが、それは決して「殺人の動機に正当性を与えよう」というもの