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ブックマーク / book.asahi.com (66)

  • 鶴見済さん「人間関係を半分降りる」インタビュー 「距離が近い」はいい関係か? 既存の価値観疑い、生きづらさを解消|好書好日

    鶴見済(つるみ・わたる) 1964年、東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒。複数の会社勤務を経て、90年代はじめにフリーライターに。93年『完全自殺マニュアル』は社会現象となり、累計で120万部超。その他の著書に『0円で生きる』『人格改造マニュアル』『檻のなかのダンス』など。つながりづくりの場「不適応者の居場所」を主宰。 ブログ 公式ツイッター 人間は醜いから、離れてつながる ――新刊『人間関係を半分降りる 気楽なつながりの作り方』では「人間には醜い面があるから、少し離れてつながろう」と提案しています。 これまで生きてきた中で一番悩んだのはなんだっただろう? と振り返ってみると、自分は人間関係のことでした。特に大変だったのが高校生の頃と会社に入ったばかりの頃。高校生の時は、関係が固定化されていて狭い場所に人が密集する学校空間で、対人恐怖症(社交不安症)というか、人の目を気にし過ぎてしまう視

    鶴見済さん「人間関係を半分降りる」インタビュー 「距離が近い」はいい関係か? 既存の価値観疑い、生きづらさを解消|好書好日
  • 「旧植民地を記憶する」 侵略を公的に認めることの意味 朝日新聞書評から|好書好日

    旧植民地を記憶する フランス政府による〈アルジェリアの記憶〉の承認をめぐる政治 著者:大嶋 えり子 出版社:吉田書店 ジャンル:政治・行政 「旧植民地を記憶する」[著]大嶋えり子 他国への侵略行為が目の前で起きた時、それを批判する足場の一つは、過去の侵略がもたらした被害の記憶である。だからこそ、旧宗主国の政府が植民地の記憶を公的に認めるか否かは、喫緊の課題なのだ。フランスの加害の記憶を扱った書は、このことを痛感させる。 フランスは、19世紀からアルジェリアを支配し、1962年の独立まで収奪や搾取を続けた。独立戦争時には多くのアルジェリア人を殺害した。フランス軍に参加したアルジェリア人戦闘員を保護することもしなかった。 著者が試みたのは、こうした事実の解明ではない。フランス政府が旧植民地の記憶をどのように承認してきたかをつぶさに追うことだ。 政府は加害の記憶を公的に認めてこなかった。補償や

    「旧植民地を記憶する」 侵略を公的に認めることの意味 朝日新聞書評から|好書好日
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    kechack 2022/04/10
  • 「沖縄戦の子どもたち」書評 暴力の連鎖の最終地点で散る命|好書好日

    「沖縄戦の子どもたち」 [著]川満彰 1945年3月26日、総兵力18万人の米軍は慶良間諸島に上陸。そこで集団自決が起こる。 「背中から刺し殺し、子どもは肉が薄いのもので[原文ママ]、むこうがわまで突きとおるのです。女の人はですね、上半身裸にして、オッパイを自分で上げさせて、刺したのです。私は[中略]女の人を後ろから支える役でしたよ」(当時14歳だった男性の証言)。「ノブ先生も、カミソリで自分の子どもたちの首を切りました。傷口があさかったせいか、全員無事でしたが、子どもたちはとても痛がって泣いていました」(当時30歳だった女性の証言) これは始まりに過ぎなかった。沖縄戦は最初で最後の住民を巻き込んだ地上戦だった。日軍は10万人余りの第32軍を創設するも、米軍の圧倒的火力の前に撤退を重ねた。土の国体を守る時間稼ぎのために「捨て石」となった肉弾戦の島で、現在でいえば中高生の子どもたちも役所

    「沖縄戦の子どもたち」書評 暴力の連鎖の最終地点で散る命|好書好日
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    kechack 2021/07/05
  • 若者の2割がアンダークラス 非正規、低賃金、未婚でぎりぎりの生活 ――宮本みち子さんに聞く|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 『アンダークラス化する若者たち』の編著者、宮みち子さん 書籍情報はこちら 非正規雇用、失業、無業 ――アンダークラスの若者たちとはどんな層で、どのくらいの規模で存在するのでしょうか。 アンダークラスには、非正規雇用者が大きな一群として存在しますが、さらにその周囲には、ある時は非正規で働き、ある時は無業でいたり、ある時は引きこもっていたり、その時々で労働市場に入ったり出たりしている若者と、労働市場にまったく入れない若者とが混在しています。このでは、非正規雇用よりさらに一層不安定な状態にいる人、無業者まで含めて、アンダークラスだと考えました。 『アンダークラス化する若者たち ――生活保障をどう立て直すか』(明石書店) おおよそ若者の2割に達していると考えられます。総務省の労働力調査(2020年平均)によると、15歳~34歳では非正規労働者が約512万人(この年代の人

    若者の2割がアンダークラス 非正規、低賃金、未婚でぎりぎりの生活 ――宮本みち子さんに聞く|じんぶん堂
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    kechack 2021/05/11
  • 中谷美紀さん「オーストリア滞在記」インタビュー 山の中の家、日常を取り戻す|好書好日

    4年前、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に所属するビオラ奏者の夫と知り合い、このごろは1年の半分をオーストリアで過ごしています。20年以上、演じるというものすごくエネルギーを要する仕事に、半ば日常を犠牲にして向き合ってきた日々からすると、今の暮らしは考えも及ばなかったことです。 昨年3月、東京でドラマの撮影をしていたら、新型コロナウイルスの感染拡大を心配した夫が迎えに来てくれました。クランクアップした日の深夜に飛行機に飛び乗って、国境封鎖をし始めたオーストリアに入国できたのは奇跡的でした。 かつて『インド旅行記』を出した出版社からのお話で、もともとはオーストリア中を車で旅して書こうと思っていました。ところがロックダウンになってしまって、ドイツ語の学校にも通えず、人に会う機会もなく。諦めて目の前の身近な日々を日記形式でつづりました。昨年5月から7月の生活雑記です。 家はザルツブルクの中心か

    中谷美紀さん「オーストリア滞在記」インタビュー 山の中の家、日常を取り戻す|好書好日
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    kechack 2021/02/23
  • 「不寛容論」書評 入植神学者が訴えた信教の自由|好書好日

    不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学 (新潮選書) 著者:森あんり 出版社:新潮社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学 [著]森あんり 日では「一神教は多神教よりも不寛容だ」という俗説が根強い。信仰心の篤(あつ)い人は他宗教・他宗派を排斥しがちだというイメージが浸透している。 しかし書は、現代の寛容論は近代合理主義によって創始されたものではなく、中世キリスト教に淵源(えんげん)すると指摘する。カトリック教会の法学者たちは、キリスト教こそが正しくそれ以外は間違いだと確信していたが、異教徒への寛容を説いて共存を図った。 この伝統は以後も引き継がれ、キリスト教布教を口実としたスペインによる「新大陸」征服事業を批判する宣教師も少なくなかった。著者は、こうした中世以来の寛容論の流れの中に、アメリカがイギリスから独立する以前の17世紀の神学者ロジャ

    「不寛容論」書評 入植神学者が訴えた信教の自由|好書好日
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    kechack 2021/02/20
    右派の排外主義はもとより、リベラルの「寛容の強制」など、不寛容が渦巻く今こそ読むべき本だ。
  • アニメの少年、女性が演じるのはなぜ? 「アニメと声優のメディア史」石田美紀さんインタビュー|好書好日

    文:安達麻里子 写真は石田美紀さん提供 石田美紀(いしだ・みのり)新潟大学経済科学部教授(視聴覚文化論) 1972年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。実写映画研究を経てアニメーション・メディアの研究を行う。著書に『密やかな教育――<やおい・ボーイズラブ>前史』(洛北出版)など。 きっかけは「銀河鉄道999」の鉄郎 子どもの頃に見た「機動戦士ガンダム」のキャラクター、マ・クベの冷気を含んだ独特な声がきっかけとなって、キャラクターの「声」を意識し始めたという石田さん。その後、「銀河鉄道999」の主人公、鉄郎の声を女性(野沢雅子さん)が演じていると知って衝撃を受け、それ以来、声優の声が持つ不可思議さに魅了され続けている。 「私は1972年生まれで、アニメを見て育ってきた世代。女性声優が少年キャラクターを演じている例は、最初は驚いたものの当にいっぱいあって、そういう環境に馴染

    アニメの少年、女性が演じるのはなぜ? 「アニメと声優のメディア史」石田美紀さんインタビュー|好書好日
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    kechack 2021/02/13
  • 故・白川静さんの遺稿をもとに字書『漢字の体系』を編集 1字ずつ確認する膨大な作業が結実|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 職場の机に向かう竹内涼子さん 書籍情報はこちら ルーペと小型キーボード 多くの出版社や書店が集まる東京・神田神保町のビルに平凡社はある。 編集者たちの机は、どれも多くの資料やが山積みされている。 その中のひとつ、竹内さんの机には、ルーペが置いてあった。物の上にのせて拡大して見るタイプのものだ。雑誌編集では写真の確認などに使うことが多い。 「漢字の字体が正しいかどうか、ゲラの確認に使うんです」 ゲラの確認に使うルーペ さらに机の奥には、パソコンのモニターとは不釣り合いな、小さなキーボードも見えた。幅22センチほど。電卓と見間違えそうなサイズだ。 「ゲラを広げる時に邪魔にならないよう小さなキーボードを使っています。これでもちゃんと打てますよ」 平凡社で「白川編集部」と叢書「平凡社ライブラリー」の編集長を務める竹内さん。入社して約30年になる。 高名な学者の担当に 竹内

    故・白川静さんの遺稿をもとに字書『漢字の体系』を編集 1字ずつ確認する膨大な作業が結実|じんぶん堂
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    kechack 2021/01/29
  • 「生活と結びついた言葉で語る沖縄の現実」 上間陽子『裸足で逃げる』『海をあげる』編集者インタビュー/上|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 書籍情報はこちら 初めての印象は「すごいものを聞いた」 上間さんと初めてお会いしたのは、前の職場で「atプラス」という雑誌をやっていたときです。岸政彦さんに責任編集をお願いして、生活史の特集号をつくったんですね。寄稿いただく方たちとの顔合わせも兼ねて大阪で研究会をしたんですが、そのときに上間さんは完成原稿に近いものを持ってきました。「キャバ嬢になること」っていう、『裸足で逃げる』の頭の原稿です。いま思うとそれに打たれたような気がします。 ――文章の力に圧倒されたんでしょうか 最初は耳だったんですよね。上間さんがその原稿を朗読されて。ひとをいたわるような声というか、とってもいい声で。「すごいものを聞いた」と思いました。『裸足で逃げる』も『海をあげる』も、「聞く」というのがすごく大事なモチーフだと思います。僕の最初の印象も「聞いた、聞いてしまった」というものでした。 語りをなる

    「生活と結びついた言葉で語る沖縄の現実」 上間陽子『裸足で逃げる』『海をあげる』編集者インタビュー/上|じんぶん堂
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    kechack 2020/12/04
  • 「アイヌを知る」とは、本でひもとく 文化担う人々への抑圧も見よ 北原モコットゥナシさん|好書好日

    アイヌ施策推進法はアイヌの誇りの尊重を掲げる。その誇りは、どのように損なわれ、どう回復できるのか。抑圧が常態化した状況では、加害者も被害者も俯瞰(ふかん)的な視点を持ち難い。 阿寒湖畔アイヌコタン出身の瀧口夕美は、そうした経験を『民族衣装を着なかったアイヌ』に率直に書いている。「アイヌとは?」「あなたはアイヌ?」という気軽な問いは厄介だ。そうだと言えば「では純粋か?」と言葉が続く。反対に「純粋な和人とは」と問われたら答えられるのだろうか。こうした問いを一方的に向けること自体、対等な関係ではない。 「アイヌらしさ」とは、例えば容姿と生活習慣、血縁などか。だが、容姿も生活習慣も世代を経れば変化することがある。血縁やアイデンティティーは有(あ)っても見えない。すると「いる」と気づかれず、言っても気にされないこともある。アイヌの認知度が低い土地で育ち、言語も知らなければ、周囲との違いを説明するの

    「アイヌを知る」とは、本でひもとく 文化担う人々への抑圧も見よ 北原モコットゥナシさん|好書好日
  • 差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 森山至貴(もりやま・のりたか)社会学者 1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)。 世の中の「ずるい言葉」はどこか差別に通じている ――森山さんは大学で学生さんに「自分が言われてモヤモヤした言葉」をヒアリングしたそうですね。特にどのような基準で選びましたか? 読者にとっての取っ掛かりが多いにしたかったので、特定の学問分野やジャンルの話だけにならないよう心がけました。女性差別やセクシュアルマイノリティ差別の事例だけでなく、血液型、障害者、ひとり親家庭などの話題も取り上げています。 ただ、どんな話題を選んでもやはりどこかで差別

    差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日
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    kechack 2020/10/08
    「美人っていうのはほめ言葉なのに」「もうなにも言えなくなる。息苦しい」
  • 「なぜ中間層は没落したのか」書評 途上国モデルで分断を描き出す|好書好日

    なぜ中間層は没落したのか アメリカ二重経済のジレンマ [著]ピーター・テミン 米国社会の分断や格差について多くの報告が積み重なっている。書は大恐慌分析で著名な経済史家が、現状を「二重経済」として描き出す。衝撃的なのは、その道具立てに、途上国の発展をめぐる議論で使われてきた「ルイス・モデル」を援用していることだ。 このモデルでは、経済は「資主義」部門と、最低限の収入で生きる多数の農民らの「生存」部門で構成される。前者は後者から流入する低賃金の労働力をテコに拡大する。 書はそれぞれを、いまの米国で様々な資を持つ「金融・技術・電子工学」(FTE)部門と、それ以外の「低賃金部門」に読み替える。前者は後者の安価なサービス業のうえに成り立っている、という。 この対比も目から鱗だが、それだけではない。書は、低賃金を望む資家は生存部門の発展を助けないというルイスの指摘に注目する。いまの米国でい

    「なぜ中間層は没落したのか」書評 途上国モデルで分断を描き出す|好書好日
  • 新型コロナの「空気」「自粛警察」 同調圧力の中で一貫性を持って生きるには―― 辻田真佐憲さんに聞く|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 文・写真:吉野太一郎 書籍情報はこちら 辻田さんが選ぶ「空気」を巡る 『空気の研究』(山七平、文春文庫) 『失敗の質―日軍の組織論的研究』(戸部良一ほか、中公文庫) 『流言・投書の太平洋戦争』(川島高峰、講談社学術文庫) オンライン取材に答える辻田真佐憲さん SNS社会論として読む、時代の連続性 『空気の研究』(山七平、文春文庫) 現代の雰囲気が戦前と似ているのではないか。いろいろなところで聞かれますが、この問題は極端になりがちで「何でも戦前」みたいなことを言う人もいて、それがネットでも受けるので、注意が必要です。 歴史を見る時には「類似」と「差異」の両面を見る必要があります。たとえば、戦前は監視社会と言われますが、当時は警察官の数も今ほど多くないですし、警察の監視網も全国に津々浦々にあったわけではない。監視カメラやICレコーダーもない時代、隅々まで監視し

    新型コロナの「空気」「自粛警察」 同調圧力の中で一貫性を持って生きるには―― 辻田真佐憲さんに聞く|じんぶん堂
  • GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日

    「ウォー・ギルト・(インフォメーション・)プログラム」という言葉が保守論壇で流行している。第2次世界大戦後の占領軍の計画で、日人は洗脳され、自虐史観に塗り替えられたというのだ。その全体像を膨大な史料から探った著作が公刊された。当に日人は洗脳されたのか。研究の結果から著者は「洗脳されたとは思えない」という。 「体系的な施策ではなかった」 著作は『ウォー・ギルト・プログラム――GHQ情報教育政策の実像』(法政大学出版局)。著者は賀茂道子・名城大学非常勤講師(日政治外交史)だ。 この言葉は、文芸評論家の故・江藤淳氏が1989年の『閉(とざ)された言語空間』(現在は文春文庫)で紹介した。GHQ(連合国軍総司令部)の文書から見つけた江藤氏は、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と表記した。現在の保守論壇はWGIPと略す。 ◇ 代表的な施策が二つあったとされる。GHQの一部門CI

    GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日
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    kechack 2020/06/07
  • 加藤一二三さんが好きな「レ・ミゼラブル」|好書好日

    かとう・ひふみ 40年生まれ。将棋棋士九段。第40期名人などタイトル獲得8期。2017年6月引退。 よい人間とは?正義と慈悲と 24歳の時、升田幸三、大山康晴という大棋士と戦って確実に負かされるという経験をしました。その時に思いました。「一番いい手を指し続けて勝てるなら、人生もこういう風に生きれば幸せになれるという生き方があるはずだ」と。それを知るためにカトリック教会の門をたたきました。30歳を過ぎて洗礼を受け、西洋文学に興味を持ち始め、ドストエフスキーやゲーテを読んだりしました。 この作品もキリスト教がでてきます。主人公のジャン・ヴァルジャンが、世話になったミリエル司教のもとから銀の器を盗むのですが、憲兵に捕まった彼に司教は、私はあなたに燭台(しょくだい)もやったのに、なぜ器といっしょに持って行かなかったのか、と言います。この寛容な態度にヴァルジャンは感動し、よい人間になろうと決心す

    加藤一二三さんが好きな「レ・ミゼラブル」|好書好日
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    kechack 2018/06/11
  • 仮想通貨 反権威のパンク精神が源流|好書好日

    書店に行くと、ビットコインなどの仮想通貨の解説を多数目にする。昨年起きた劇的な価格高騰が、一獲千金を望む人々を強く魅了したからだろう。世間を賑(にぎ)わせているこの仮想通貨ブームを、どのように位置づけて解釈すべきだろうか? 儲け主義ブーム 1600年代のオランダでチューリップの球根に大規模なユーフォリア(熱狂・酔狂)が発生したことがあった。球根と同様に今の仮想通貨には、価値を評価する基準が全く存在しない。 その点もあって世界の主要中央銀行は仮想通貨にかなり批判的だ。中銀は国家から通貨発行の独占権を得ており、彼らが制御できない仮想通貨とは質的に対立関係になりやすい。一方で中銀はビットコインとその中核技術であるブロックチェーンを応用した新技術には強い関心を持っている。日銀もそれを用いた決済システムを研究中だ。 これにも見られるように、仮想通貨を巡る議論はかなり多層的だ。仮想通貨を理解するに

    仮想通貨 反権威のパンク精神が源流|好書好日
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    kechack 2018/04/19
  • 本の記事 : 戦争、日本人に向いていない 西村京太郎が自伝的作品 - 中村真理子 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    kechack 2017/10/13
  • 「ナチスと自然保護」書評 政権に接近した郷土愛の理想|好書好日

    ナチスと自然保護 景観美・アウトバーン・森林と狩猟 著者:フランク・ユケッター 出版社:築地書館 ジャンル:社会・時事・政治・行政 ナチスと自然保護―景観美・アウトバーン・森林と狩猟 [著]フランク・ユケッター ナチスが悪であることは世界の共通認識だろう。だが、ナチスが先進的に打ち出した政策の中には、現在良いイメージをもたれているものがある。例えば、喫煙と肺がんの因果関係が証明され、健康な国民=兵士を確保するため先駆的な禁煙運動を展開した。書がとりあげるのは、自然保護運動である。1935年、ナチスの政権下において、画期的な帝国自然保護法が制定され、国家レベルの自然保護ブームが到来した。これが美しい景観設計にも連動したことは特筆すべきだろう。 ドイツではロマン主義から自然保護の理念がもたらされ、それが郷土を守る運動となり、景観の保存はドイツ人の力の基礎だというヒトラーの言葉に近接していく。

    「ナチスと自然保護」書評 政権に接近した郷土愛の理想|好書好日
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    kechack 2015/10/21
    ナチスの政策の中には、現在良いイメージをもたれているものがある。例えば、喫煙と肺がんの因果関係が証明され、健康な国民=兵士を確保するため先駆的な禁煙運動を展開した。本書がとりあげるのは自然保護である
  • 「不確かな正義―BC級戦犯裁判の軌跡」書評 法守らず責任回避の実態を分析|好書好日

    ISBN: 9784000610469 発売⽇: 2015/06/25 サイズ: 20cm/295,19p 不確かな正義―BC級戦犯裁判の軌跡 [著]戸谷由麻 各国が行ったBC級戦犯裁判の資料を精読し、それにもとづいての見解を英書として刊行、その後日語訳として世に問うた。米英豪比など各国の資料が、太平洋戦争下の日軍将兵の非人道的実態をどのように捉え、いかに裁いたかが理解できる。 戦時下で個人の責任はどのような形で問えるのか、初めにその責任論を「指令統制責任論」と規定する。この訳が適切か否かも著者は読者に問うている。書はBC級戦犯裁判(各国合わせて特別設置場所51、実施された裁判2244件、裁かれた容疑者5700人)研究の中ではよく引用される山下奉文、間雅晴らの法廷を始め、やはり捕虜虐待に問われた俘虜(ふりょ)情報局長官の田村浩、さらに高級指揮官たちの裁判を個々に分析していく。たとえ

    「不確かな正義―BC級戦犯裁判の軌跡」書評 法守らず責任回避の実態を分析|好書好日
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    kechack 2015/08/23
  • 本の記事 : 愛する日本よ 寄稿・ダーチャ・マライーニさん | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    戦争中の名古屋での収容体験を紹介したイタリアの作家ダーチャ・マライーニさんが、戦後70年を機に寄稿した。幼少期を過ごした日へ愛情と、現状への危惧を表した。 愛する日よ、あなたはかつて、私の父、私の母だった。そのころのさまざまな匂いや味、物のかたち、声などが幼い記憶に忘れがたく刻まれている。名古屋・天白(てんぱく)の反ファシストの強制収容所。7月のある朝の澄みわたった空をいろどった爆弾はいまも目に焼きついている。あなたの空を背に、あの爆弾たちはあんなにもまばゆく輝いていた。でもそれらは死と破壊を運んできたのだ。あの死とあの破壊のあとに屈辱的な天の敗北が受け入れられた。 私の手にはまだ、木のお盆に並べて蚕にべさせた桑の葉の感触がある。収容所の鉄条網をくぐり抜け、農家で蚕の世話を手伝い、ジャガイモや卵一個、牛乳をコップ一杯もらった。農家の人たちは戦争に反対だった。間違った論理で私たちを祖国

    本の記事 : 愛する日本よ 寄稿・ダーチャ・マライーニさん | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    kechack 2015/06/16
     戦争中の名古屋での収容体験を紹介したイタリアの作家ダーチャ・マライーニさんが、戦後70年を機に寄稿した。幼少期を過ごした日本へ愛情と、現状への危惧を表した