世界中の多種多様な犬の起源は、中東のハイイロオオカミである可能性が高いことを、米カリフォルニア大などの国際研究チームが遺伝情報の分析で突き止めた。 「東アジアのオオカミが起源」との通説と異なる結果で、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。 研究チームは、85種の犬約900匹と、欧州、北米、中東など世界の11地域に生息するハイイロオオカミ200匹以上を調べ、DNAの約4万8000か所で、わずかな配列の違いを比較した。その結果、犬と遺伝的に最も近いのは中東に生息するオオカミだった。中東では人間と犬が一緒に埋葬されている1万2000〜1万3000年前の遺跡も見つかっており、飼いならされたオオカミが、犬の祖先と考えられる。 現在の犬種の80%は過去数百年間に人為的に作られており、小型犬から大型犬まで多様な姿形にもかかわらず、遺伝的な差は非常に少ないこともわかった。