突然の引退宣言だった。元日本代表・三浦淳寛氏が現役引退を表明したのは4月4日、自身のホームページ上のことであった。プロ生活17年。J1で323試合、J2で109試合に出場し、J1リーグのFK通算ゴール数は15で、5月22日現在では単独1位である。代表キャップ数は25。ワールドカップ(W杯)出場こそならなかったが、左サイドから思いきりよく駆け上がる姿と、右足から繰り出されるブレ球FKは多くのサッカーファンを魅了した。ある意味、記録よりも記憶に残るプレーヤーと言えよう。 そんな三浦氏には、聞いてみたいことが山ほどあった。プロデビューした横浜フリューゲルスのこと。フリューゲルス消滅後のキャリアのこと。サブ組に甘んじることが多かった日本代表のこと。たゆまぬ努力の末に体得したブレ球FKのこと。そして、セカンドキャリアのこと。「やり切った」という自負からか、三浦氏の表情は実に柔和で、その言葉によどみ