西野朗の流儀 ガンバと歩む7年目<上> 続投 重圧と迷いはらった“魔法” 今季、就任7年目を迎えたG大阪・西野朗監督(52)は、同一クラブでの指揮としてはJリーグ最長となった。チームをJリーグ屈指の強豪へと変貌(へんぼう)させた指揮官の素顔に迫る。(平野和彦) 一進一退の攻防に、4万人を超える観衆で埋め尽くされた国立競技場(東京)が沸いていた。昨年11月3日、ナビスコ杯決勝のG大阪―川崎。秋晴れのもと、初優勝を狙う両チームの勝負は熱を帯びていった。 序盤から再三、川崎の快足FWジュニーニョがDFの裏を突いて好機を作った。「狙われている」。危機を察知した西野は0―0で迎えたハーフタイムに、選手たちも驚く作戦を託した。 このころ、西野は悩んでいた。クラブから監督続投を要請されたのは昨年8月ごろ。だが、首を縦に振らなかった。一昨年は無冠。「何か一つ(タイトルを)取らないと、受けにくい」と球団幹