2015年6月12日夜。長野県の上田市役所に1通のメールが届いた。「市役所庁内のPCがウイルスに感染し、外部への不審な通信が発生しているようだ。大至急調べてほしい」。 メールの発信元はJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)。日本国内を対象に、サイバーセキュリティに関する情報収集や注意喚起をしている組織である。政府や企業から独立して中立的に運営されている。 JPCERT/CCからのメールは市の情報システム部門に当たる総務部広報情報課に届いた。受信した佐野茂樹係長は、「メールを一読しただけでは、内容をよく理解できなかった」と率直に話す。 マイナンバーの最前線へサイバー攻撃 上田市は人口約16万人。長野県第3の都市で、北陸新幹線などが経由する交通の要所だ。戦国時代以降に活躍した真田氏ゆかりの地として知られ、市内には2016年に放映されるNHK大河ドラマ「真田丸」ののぼりがは
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