3月13日、予想も覚悟もしていたことだったが、無観客試合の決定を受けたとき空を仰いだ。 日本初、Jリーグの歴史上最も不名誉な試合の開催が、浦和レッズに課せられた。そのことを自覚するのに、天に顔を向けて「さあ、罰してくれ」と言いたい気分になったのだ。 だが顔を降ろして頭に浮かんだのは、無観客試合は1試合で終わるが、本当に残念なのはそのことだけではない、ということだ。 1992年からクラブが貫いてきた、応援の形やスタンドのルール作りは、サポーターの自主性に任せるという姿勢。ときとして一般常識や法律から逸脱する行為があっても、単純な罰則を当てはめるのではなく、粘り強く対話を続けて理解を求めるというやり方。ペットボトル投げが止まず担当スタッフがJリーグの会議で総バッシングを受けても、ペットボトル持ち込み禁止にしなかった時期もあった。 ある意味では賭けだったと言えるかもしれない。浦和レッズのやり方で
埼玉新聞社で広告営業をやっていたころ、選挙広告というのも重要な分野だった。たしか埼玉県議会議員選挙のときだったと思うが、旧浦和市内を上司と車で走っていて、ある候補者のポスターが非常に目についたことがある。 「○○さんのポスター、すいぶん多いですね」 そう話しかけた僕に上司はこう答えた。 「駄目だよ、電柱ばっかりだから」 薄いベニヤ板や厚紙で裏打ちされた宣伝物を紐や針金で電柱に固定した、いわゆる「捨て看(板)」は、軽犯罪法や条例に触れるものだ。だから、あまり日中堂々と張られることはなく、取り付けは夜中に行われることが多い。一応、それぐらいの知識はあった。 上司が言うには、電柱への捨て看ポスターは、誰にも了承を得ず付けていくものだから、数は多いし、たしかに視覚的宣伝効果はあるが、その地域でその候補者への支持が多いということにはならない。1軒1軒、了承を得なければならない商店や民家、ビルの壁など
#386でも書いたが、 Jリーグの人たちが深い考えなしに2ステージ制を企画しているわけでは決してない。ましてや今回のダンマクにいうように「金儲け」のためでないことは間違いない。 Jリーグを財政的に支えるためには収入が必要だ、という意味では一緒に聞こえるかもしれないが、「金儲けのため」というとニュアンスを打ち出すと話がだいぶ違ってとらえられる。 大事なことは、Jリーグを維持発展させていくためにどうするか、という課題の解決方法をどこに見いだすかということなのだ。この問題でJリーグの事務局や役員の人たちを悪者にする必要は全くない。 2ステージ制が企画されているのは、チャンピオンシップやプレーオフで世間の注目が集まれば、スポンサー料やテレビの放映権などでの収入が見込めるからということは間違いない。 だが、その点ではレッズサポーターの言う「目先の」というのは当たっているかもしれない。たとえチャンピオ
16日の日曜日は、他の取材のために行けなかったが、レッドダイヤモンズ後援会の20周年記念イベントがあった。 後援会が設立されたのは1993年の2月だった。 90年の春に始まった、プロサッカーを浦和に誘致する運動が実り、91年の2月に、三菱が浦和をホームタウンにプロになることが決まった。誘致活動の担い手たちは、「誘致が済んだら、あとは頑張って、ではいけない。新しいクラブが軌道に乗るまでは支えよう」と、当時はあまり熱心とは言えなかった埼玉県や浦和市、埼玉県サッカー協会や浦和市サッカー連盟とのパイプ役になった。 僕も何回か、その会合に出たことがあるが、行政としては普通のペースなのだろうが、プロサッカーの受け入れとしては非常にじれったいペースで物事が進んで行った。つまり準備は遅々として進まなかった、と言ってもいい(笑)。 三菱でもなく、行政やサッカー協会でもなく、具体的な動きが迅速にできる組織が必
リーグ戦の日程を決める際に、ACL出場クラブに配慮したものにするのは、Jリーグの担当者がかなり苦労するのだろう。なにせ4チームもあるのだ。でも奇数チームだと、今日みたいにACL組同士の試合だけ別の日にやる、ということができないから、もっと困っただろうな。 Jリーグの役員やスタッフの人たちが、一般のファン・サポーターに比べてサッカーへの造詣が深くない、ということはないはずだ。特にサッカーの戦術などよりも、大会の規定や枠組みなどについては、相当に研究もしているのではないか。その結果、20年で少しずつ改良を重ねてきたと思う。 理想と現実を見比べながら。 たとえばナビスコ杯の今のレギュレーションは、満足いくものではないけれど(予選リーグに不公平が出すぎる)、あれも理想はありながら、現実に即したやり方を模索した結果の苦肉の策なのだろう。だが、もう一度考え直してもらえないか、という思いは残る(今季は、
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