「この電話は現在使われておりません」 いたたまれない気分で転職活動を続けた時、親身になってくれた彼にかけた電話から聞こえた最後のメッセージはこうだった。 『「SEが足りなくなる!」、新聞記事に煽られて専門学校に通った話』、『「自分のような者でも居場所があるかも」、IT業界を目指しドロップアウトから脱した話』と、2回にわたってSE・プログラマーになる前の話が続いたが、ここからは、派遣SE・プログラマーとして過酷な日々を過ごし、限界を感じて転職を考え始めた時代の話に戻りたい。 会社を辞めよう、と漠然と思い始めたが、次の勤務先が決まっているわけではない。情けない、と思われるかもしれないが、とにかく逃げ出したかった。 ここにいても、どんづまりから抜け出せるとはどうしても思えなかったのだ。仕事を辞めたい、でも行く当てがある訳でもない。 「また根無し草の生活に戻るのか…」 先が決まらないまま今の仕事を
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