セレッソジュニアユース出身の伊藤は故郷を離れた作陽高校で武器を磨き、浦和のスカウト陣から注目を受ける存在となった。 2015年秋。一人の高校生が、自らの人生において、大きな決断を下した。 岡山県の名門・作陽高校の背番号10・伊藤涼太郎。10月1日、スピードに乗ったドリブルと正確なパスを持つこの高性能アタッカーは、来季から浦和レッズでプロのキャリアをスタートさせることを正式に発表した。 この決断は、茨の道であることは間違いない。今年のJ1ファーストステージの王者であり、リーグ屈指の戦力を誇る浦和レッズ。槙野智章、柏木陽介、西川周作という現役の日本代表選手と、森脇良太、李忠成、武藤雄樹、興梠慎三など日本代表経験者をずらりと揃え、資金力も豊富なビッグクラブだ。 3年前は興梠、森脇、那須大亮らが、一昨年は西川、青木拓矢らが、昨年は武藤、高木俊幸、橋本和、石原直樹、ズラタン、加賀健一と、他チームの主