大手ITベンダーの2015年度決算が出そろった。SI関連事業の業績は、7社が過去最高の売上高を記録するなど総じて好調。銀行のシステム投資が拡大した金融分野、マイナンバー案件がけん引した公共分野などが寄与した。 主要各社の業績水準は2008年の「リーマン・ショック」で不振に陥る前の水準と同程度以上に回復した(表)。富士通とNECは通信事業者向けなどが不調で減収減益だった。 注:水色部分はITサービス関連セグメントで、全社調整額を除いた数字。全て内部売上高を含む。*1 営業利益は同社の説明資料中にある「調整後営業利益」を参照した。 *2「 パブリック」「エンタープライズ」「テレコムキャリア」「システムプラットフォーム」部門の合計値 先行きをみると、各社とも急拡大するクラウド需要を取り込めていないという課題が残る。ユーザー企業のクラウドシフトが進む中、さらなる飛躍のためには、クラウド前提の事業戦