南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 1974年、瀬戸内海をゆくフェリーでのこと。 入門したばかりの若手レスラーがロビーに呼ばれる。ロビーのソファに腰かけているのは、規格外の肉体を誇る世界の巨人・ジャイアント馬場。葉巻をくゆらせるその姿は、独特の威圧感を放っている。 馬場は若手レスラーを一瞥すると言った。「お前……プロレス好きか?」 若手レスラーは答えた。「ハイッ! 好きです!」 「そうか……」 馬場はニヤリと笑うと、いきなり若手レスラーの胸板にチョップをかます。あの巨大な手で、ドスッと打たれたのだからたまらない。若手レスラーは痛みに身を縮めて咳きこむが、馬場はさらに告げるのだった。「もう一回いくぞ! 今度は力を入れろ!」 馬場は同じようにチョップを胸板に喰らわせ、若手レスラ