「違反行為を少なくするには、『罰』を与えればいいのか?」 この問いに対して、イスラエルにある10の「保育園」で行われた実験は、皮肉な結果を示している。 実験のターゲットとなったのは、保育園の「お迎えの時間」である。 保育園が終わって、親が子供を迎えに来る時、保育園側が困るのは、親たちが決まった時間に現れないことであった。ひとつの保育園あたり、平均して「週に6~10人」の親たちが、お迎えの時間に「遅刻」していた。 「どうしたら、親たちの遅刻を減らせるのか?」 「そうだ!『罰金』をとろう」 そういうことになって、「10分遅れたら、10シェケル(約200円)の罰金」という『罰』を、遅刻した親たちに課すことになった。 さて、その結果は…? 「すぐに変化は現れました。 罰金の導入から最初の一ヶ月間、お迎えの時間に遅刻する親は増え続け、『当初の3倍』に達し、その後も高止まりを続けてしまったのです」 こ