国指定の重要文化財になっている青森県弘前市の弘前城で、天守の「曳屋(ひきや)」工事が16日から始まる。 石垣修理のための工事で、天守を石垣から持ち上げて2か月以上かけて約70メートル移動させ、石垣を修復した後に元の位置に戻す。天守の曳屋工事は全国的にも珍しく、市は曳屋工事を公開して観光客の誘引につなげる。 弘前城は旧津軽藩の城で、現在の天守は、江戸後期の1810年に建てられた。城のある公園は桜の名所で知られる。近年、石垣が劣化によって外側に膨らみ、崩落の危険がでてきていた。 曳屋工事は、高さ約14メートル、重さ400トンの天守をジャッキで持ち上げてレールの上の台車に載せ、移動させる。1日1メートルほどずつ動かし、約70メートル先の本丸奥に移す。移動完了は10月下旬を予定する。