日本の書道史に奈良時代から影響を与え続けている、4世紀の中国の書家、王羲之の筆使いを伝える新たな資料が、日本で見つかりました。 王羲之の資料は国宝に指定されているものもあり、専門家は「遣唐使が唐から持ち帰ったとみられる極めて貴重な資料だ」と話しています。 王羲之は4世紀の中国、東晋の書家です。 書を芸術に高めたとして「書聖」と称され、現代でも学校の教科書で書道の手本とされるなど大きな影響を与え続けています。 実際に本人が書いたもの、いわゆる「真筆」は戦乱などによってすべて失われ、模写や複製されたものしか残っていません。 このうち、今から1400年近く前、中国の唐の時代に皇帝の命令で「双鉤填墨(そうこうてんぼく)」という高度な手法で精巧に模写されたものは、王羲之の筆使いを忠実に伝える資料として特に高い価値があるとされています。 今回見つかったのは、この「双鉤填墨」による王羲之の書で、親しい人