あずき色の装丁だったと記憶している。両親が買ってくれた気もするし、いとこのお下がりだったかもしれない。図書館で借りたのではない。イラストの鉛筆やアクリル絵の具などを使った「はっきりした線」のものではなく、たぶん水彩で描かれていたと思う。和風なテイストだった。 この絵本が好きで、繰り返し読んだ。幼い子にとって絵本はそんなものなのかもしれないけれど、内容は記憶しているのだけど、タイトル・書名・著者名・出版社名・刊行年などが分からない。だから、探したくても探すのが難しい。内容は、きつねとたぬきの里が出てくるお話で、吊り橋を挟んで童謡みたいなやりとりをしつつ、反目していた里同士が理解し合うものだった気がする。 あの絵本がまだ現役で子どもたちに読まれていて、大きな書店の絵本棚や図書館の棚に今も並んでおり、いつか偶然再会できたらうれしい。