戦後日本は、民主主義と平和主義を高く掲げ、この2つの主義を両輪にしてきた。その結果、多くの者にとっては、民主主義イコール平和主義とみなされた。民主主義者は平和主義者でなければならなかった。両者とも「主義」であるからには思想的な立場の表明であり、その反対の立場もありうるだろう。しかし、わざわざ反民主主義を宣言する者などめったにいないし、戦争主義などを訴える者もいないので、誰もが、積極的か消極的かは別として、民主主義者であり平和主義者である。 にもかかわらず、戦後日本の民主主義と平和主義の組み合わせが、どうもうさん臭いのは、この平和主義がもっぱら憲法9条の武力放棄を意味しているからにほかならない。平和愛好、構築なら誰も批判もしないだろうが、問題はその方法なのである。憲法9条といういささか特異な形態における平和主義という「方法」が問題なのである。 もっとも、いわゆる護憲派の平和主義者からすれば、
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