東京都議選での自民党の歴史的大敗を受け、安倍晋三首相は8月4日を軸に内閣改造・自民党役員人事を断行する方針を固めた。憲法改正に挙党態勢で臨むには人事刷新により「身内びいき」批判を払拭する必要があると判断した。首相は反転攻勢に向け、どんな秘策を練っているのか-。(田北真樹子) 「護憲勢力の力を改めて思い知ったよ…」 都議選の惨敗を受け、首相は周囲にこう漏らした。 原因は政府・与党で不祥事・失言が相次いだことにあるが、朝日新聞を中心にした護憲勢力による政権批判は常軌を逸していた。 10年前の平成19年夏、第1次安倍内閣は参院選で大敗した。同年5月に憲法改正手続きを定めた国民投票法が成立すると激しい政権批判が巻き起こり、内閣支持率が急落。結局、首相は体調を崩し、退陣した。 今回の政権批判も、5月3日に首相が2020年の新憲法施行を打ち出した後に猛烈に強まった。「あの夏と同じだ」と既視感があるのは