年明けにあたり、岸田文雄首相の2023年を振り返ってみたい。 21年10月に就任し、ご祝儀もあって約60%という高支持率で船出。同年の衆院選、22年の参院選も無難に乗り切った。ただ、同参院選中の安倍晋三元首相のまさかの銃撃死を機に、旧統一教会と自民党との関わりが表面化し、支持率は下降に転じた。 23年は支持率回復を狙い、「外交の岸田」を前面に打ち出した。特に5月の広島サミットに照準を合わせ、その勢いで解散総選挙に打って出る計算もあっただろう。サミット前にはウクライナ訪問、韓国の尹大統領の訪日などもあった。支持率は一時的に上向いたが、麻生太郎副総裁ら周囲の反対もあり解散は見送った。私は、この解散タイミングを見送ると増税論議が本格化するなどの状況から条件は悪くなると指摘し続けてきた。実際に支持率は下落の一途をたどったが、年末になって自民党派閥の政治資金パーティー裏金問題が表面化して追い打ちをか