5月中旬、懐かしいハードウエアが久しぶりに話題となった。その名はスーパーコンピュータ。NECと日立製作所が、政府主導の次世代スーパーコンピュータの開発プロジェクトから手を引くとのこと。正直言って「まだ、やっていたの」っていう感じだが、ようやく正しい決断を下した。で、これを材料にもう一つの“歴史の遺物”の今後を考えてみたい。その名はメインフレーム。 スーパーコンピュータというと、私なんか、1990年初頭に一世風靡した米クレイ・リサーチのマシンを思い出す。ただ速いだけでなく、美しいコンピュータだった。円筒状の独特のデザイン。冷却用の液体に浸された回路基盤と沸騰し湧き上がる気泡。“アメリカの国宝”と言われたこともあるらしいが、それも頷けるような最先端のマシンだった。 日本のコンピュータ・メーカーは、このクレイのマシンを追いかけた。NEC、日立、富士通が創り出したスーパーコンピュータは、形こそダサ