「おいしくなければ食事ではない」 それではどんな食事をすれば、中高年は低栄養にならずに済むのでしょうか。その対策を考えるためには、改めて根本的な問いについて思いを巡らせてみる必要があります。 そもそも人間にとって食事とは何でしょうか。体にとって良いものを食べる、あるいは塩分や糖分を控えてヘルシーなメニューに努める。これもまた、いずれも正しく、間違ってはいません。 でも、私はもっと大切なことがあると考えています。食事とはおいしいものであり、おいしくなければ食事ではない。これが、人間にとって食事とは何かという問いに対する、管理栄養士である私の答えです。 例えば“おばけタンパク”状態になってしまっていた先の女性に、「ご飯を食べてもいいんですよ」とアドバイスしたところ、「ご飯、本当は食べたかったんです。納豆もお刺身も、やっぱり白米と一緒に食べるとおいしいですよね」と、涙ながらに語っていました。 私