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テスラをはじめとする電気自動車(EV)が、先進のテクノロジーとガソリンを使わない未来への期待で自動車購入者を魅了する中、ハイブリッド車は過去のものになったと思われ始めていた。ハイブリッド車の旗手であるトヨタ「プリウス」の販売台数は、過去10年間で85%も減った。 ところが今では、EV販売の伸び悩みからゼネラルモーターズ(GM)やフォード・モーター、フォルクスワーゲンはEVで掲げた野心的な目標を下方修正するようになっている。 EVでなくハイブリッドが支持される理由 そうした中でも、ハイブリッド車の販売は堅調で、EVが2023年に直面した厳しい現実が今も続いていることが明白になってきた。アメリカ人の多くは電動化を大いに歓迎しているが、完全に電動化されたEV(フルEV)を受け入れる準備はまだ整っていない、という現実だ。 調査会社コックス・オートモーティブで産業分析の責任者を務めるステファニー・バ
ホワイトカラーの9割がいまの職を失う 2035年前後に日本の労働人口の49%にあたる職業がAI(人工知能)に代替される─―。いまから10年近く前、野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究でそんな指摘がなされた。それが見事に的中しそうだ。 現在、知的労働や事務作業を職業にするホワイトカラーは日本の全労働者の半数以上を占めている。今後、そのホワイトカラーの9割がAIによっていまの職を失うだろう。徐々にではない。一気に失っていく。 文章、画像、音声といったコンテンツの自動生成能力を持つAIを「生成AI」という。ChatGPTがその代表格だ。この生成AI以前のAIも人間を大きくしのぐ情報処理能力を持っていた。しかし応用力に欠け、新たなコンテンツを創出できるわけではなかった。実際、いまも資料作成などはあくまで人間の手作業で仕上げている。 しかしChatGPTをはじめとする対話型の生成AIの進
「日本の自動車メーカーはまさにテスラ化している」。ある大手自動車部品メーカーの幹部はそう驚きの声を上げた。 日本の自動車メーカーがEV(電気自動車)の競争で勝ち抜くために、生産工程の抜本的な見直しに取り組み始めた。ガソリン車と異なる構造であることを重視し、車両の設計や構造、生産手法を根本から見直す。見本とするのはEVで先行するアメリカのテスラだ。 トヨタ自動車は6月中旬に、次世代EVに使用する車体部品について「ギガキャスト」の導入を検討していることを明らかにした。ギガキャストは、車体部品を一体成形できる技術で、アルミダイキャストという鋳造法で溶かしたアルミ金属を流し込んだ金型を圧入して整形する。 アルミダイキャスト自体は既存技術だが、「ギガ=巨大な」という言葉どおり巨大な装置で大型部品を作り出す。別々に造った複数のパーツを溶接などでつなぎ合わせていたこれまでの工数、つまり製造コストを劇的に
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興収100億円超え作品が4本を数え、年間興収(2131億円)は歴代最高(2019年)の8割まで戻した2022年。景気のいい話題に沸いた昨年の映画界だったが、今年は正月興行から長年の課題が浮き彫りになる出足になった。 昨年12月からの2023年正月興行では、昨年に引き続き「好調な邦画アニメ」と「低迷する洋画」という対照的な構図になった。 『THE FIRST SLAM DUNK』はすでに興収110億円を突破し、最終120億円超えさえ見込まれる勢いを見せているのに対して、100億円が期待された『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、前作『アバター』(156億円/2009年)の3分の1以下となる42億円にとどまり、ブラッド・ピット主演の大作『バビロン』も大コケの様相を呈している。 この20年来続く日本映画市場の課題であった洋画人気の低迷と洋画ファン人口の減少が、コロナでより拍車がかかっているこ
創立101年目を迎えた共産党が大揺れとなっている。年明けに元幹部で現役の共産党員が公然と党首公選制の導入を求め、同党執行部が除名処分としたことが、他政党だけでなく、多くのメディアも含め、国民レベルでの厳しい批判を招いたからだ。 在位23年目となる志位和夫委員長(68)は批判拡大を受け、「集団指導によって民主的に党運営をやるのが一番合理的。あらゆる角度から見て、党首公選は道理がない」と居丈高に党首公選制導入を否定した。 ただ、党員数は約50万人だったピーク時からいまや30万人も割り込み、党勢退潮が際立っている。その中での党首公選制導入要求は、一般党員に広がる深刻な危機感を踏まえたものだけに、今回の志位氏ら指導部の硬直した対応には「悪いイメージを拡大させるだけ」(党幹部)との内部批判も相次ぐ。 現役の共産党員が「政策論争の可視化」主張 今回の反乱の“主役”は、現役の共産党員で、かつて党の安保外
静岡県の川勝平太知事は簡単な財務諸表も読みこなせないようだ。それによって、2023年1月24日に送った岸田文雄総理大臣宛のリニア問題の意見書の中で、風評被害を引き起こし、JR東海の経営を危機に陥れかねない重大な誤りを犯した。JR東海への謝罪が必要となるだろう。 現在の長期債務は6兆円ではない 川勝知事はこの意見書の中で、『現在のJR東海の長期債務残高は健全経営の限度「5兆円以内」を優に超えている』という事実誤認をした。これまでの会見では、JR東海の長期債務残高を「現在6兆円」と何度も述べていた。 実際は、2022年度第2四半期(2022年9月末)時点におけるJR東海の長期債務残高は「4.94兆円」。そのうち、「3兆円」は元本返済30年猶予、超低金利の財政投融資の債務である。残りは社債、長期借入金などでその額は1.94兆円である。最新の2022年度第3四半期(2022年12月末)時点でも4.
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10月24日夜、テレビアニメ「鬼滅の刃 無限列車編」(フジテレビ系)の第3話が放送され、三たびツイッターのトレンドワードランキングを賑わせることが予想されています。 ここまで第1話では新作のオリジナルストーリーが描かれたものの、第2話では劇場版とほぼ同じ内容でした。しかし、ファンを喜ばせるための努力を惜しまない「鬼滅の刃」制作サイドらしく、再編集しただけではありません。第1話の新作だけでなく、第2~7話には約70カットの新作追加映像、新規追加BGM、新作予告編、新主題歌映像という楽しみを用意していました。 これらに熱心なファンが歓喜している一方、ライトなファンから「あれ?これは映画の再放送だったの?」「この前放送したばかりなのに何で?」という戸惑いの声がネット上に上がっていたのも事実。では、なぜこのような形での放送に至ったのか。 「これほどの国民的アニメだから繰り返し放送するのは当然」とい
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テレビの「専門店化」が起きている ――著書でテレビの世界の変化について書かれています。 僕らが小さい頃に見ていたテレビは、メディアの王様だった。そこには若者向けの深夜番組、お色気番組もあれば、年配者向けの堅いニュース、子ども向けのクイズ番組もあって、メディアの中ではあらゆる商品をそろえた百貨店のような存在だった。でも今、テレビは影響力でいうと依然として王様だけど、百貨店ではなく、1つの専門店になっている。これはかつてのラジオが歩んだ道と似ている。 テレビが今、どんな顧客層向けの専門店かというと、テレビ全盛期にメインの視聴者だった50代以上の人たち。坂上忍さんやヒロミさん、長嶋一茂さんのリバイバルも、テレビが完全に50代以上の視聴者向けの番組にシフトした結果、起こっていることだ。 コンテンツの多様性では、今やYouTubeやNetflixといった動画配信サービスが強力な対抗馬として台頭してい
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労働市場がタイトなのにもかかわらず、賃金上昇ペースが緩やかであることに対して、日本銀行は「いつか上がる」という考え方を崩していない。中曽宏副総裁は7月26日に行われた金融経済懇談会のあいさつの中で、「生産性の向上によって1人当たりの稼ぐ力が増加すれば、その分、企業の収益力は強化されます。やや長い目で見れば、収益に余裕が生まれた企業は、むしろ生産性の向上に見合う形で賃金を引き上げてもよいと思うようになるはずです」と述べた。中曽副総裁が述べたように、生産性の向上から賃上げまでに一定の時間を要するのであれば、いつになったら賃上げが行われるのかという疑問が生じる。 「生産性」と「賃金」のサイクル 企業の生産性が向上してから賃金が上昇するまでに一定のタイムラグがあるのであれば、両者の伸び率は「循環図」として描けるだろう。具体的には、横軸に企業の生産性の代理変数として「企業収益(1人当たり)の伸び率」
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