上岡龍太郎曰く、テレビ番組の話芸は「観客に語りかける玄人の話芸」から「芸人同士の素人会話」を眺めさせる形へと変質した。前者の「話芸」を体験したことのない日本人も増えていることだろう。 テレビ番組によって「眺める」という態度が醸成された「世代」があると仮定するならば、もしかすると、フィクションの読まれ方もそれが規定しているかもしれない。 講談社の伝説的編集者、内田勝は「ぼくら」をキーワードに雑誌作りをした。 「奇」の発想―みんな『少年マガジン』が教えてくれた 内田 勝 三五館 1998-05 売り上げランキング : 313906 Amazonで詳しく見る by G-Tools 「ぼくらがぼくらに向けて語りかける」スタイルが受け手の心を掴むと同時に、80年代の『ホットドッグ・プレス』は「童貞が書いて童貞が読むバイブル」などと内に閉じてる様子が揶揄されたりもした。 これは現代と比較するとどう考え
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