東京電力福島第一原発事故による風評被害の賠償金打ち切り問題で、事故による風評被害で売り上げが大幅に減ったと訴える茨城県取手市の米穀販売業者も対象となった。東電側は、業者が自主的に事業を縮小したことが減少の原因とするが、業者にしてみれば事故がなければ、自ら事業を縮めることなどありえなかった。「被害者を切り捨てるのか」。怒りは募る。 (林容史) この業者は菅谷栄(すがやさかえ)さん(53)。菅谷さんは事故前、県内や新潟県産のコシヒカリを農家から仕入れ、宅配で販売していた。東京都内など全国に約七千五百世帯の顧客を持ち、年間一億二千万円超の売り上げがあった。