「ピケティが示した不平等の歴史的な展開を、さらに歴史的に俯瞰する。格差論の未来のために!」トマ・ピケティ『21世紀の資本』共訳者の山形浩生氏 推薦! ブームの背景にある壮大な経済学者たちの「闘い」を、『経済学という教養』で知られる稲葉振一郎さんがまとめた。 『不平等との闘い ルソーからピケティまで』 (稲葉振一郎 著)――まず、ピケティはどうしてあれほどブームになったのでしょうか? 彼は20年前から「将来恐るべし」と言われていた数理経済学者で、10年前に実証分析に転換し、大出世した、というイメージです。つまり下地はあったわけです。しかしこんなに売れるとは思わなかった。翻訳が早く出たのはよかったですね。冗談半分で勝手に「どうせならこれは山形浩生さんに訳させれば早く出るのに」と言ってたらほんとに山形訳になって驚いた。 目新しさという点では、「資本」という言葉に目をつけたのはいいですよね。アメリ