“匿名”データからでも、個人が特定されてしまう理由:「日常」の裏に潜むビッグデータ(3)(1/3 ページ) とある夏休み。高校1年生の佐山淳一は来週からの旅行の準備をしている。2人の友達と5泊6日で京都に出かけるのだが、特にお金が足りるかどうか計算をしていた。 宿泊先は親戚の家なのでタダ同然。旅行中の交通費はスマホで精算。交通費までは親が出してくれるので、決められたチャージ額を超えなければどこでも移動できる……が、現地で遊んだり買い食いするお金はやや心もとない。 「そうだ、今までアンケートやゲームで貯めたポイントを使おうか」 高校生のアンケート情報は価値が高いのか、中学のときよりもポイントが高い。友達は「悪用されるのが怖いから匿名で答えるものしか参加しない」というが、自分は普通のサラリーマン家庭だし、漏れて困るような情報もないので、還元率が高い実名のアンケートも利用している。 さらに、高校