隈研吾先生が、ご自身の建築家人生の転機になったと語る作品が二つあります。 一つは、今回の講演会冒頭に紹介された「那珂川町馬頭広重美術館」。 そしてもう一つが、世界に“建築家・隈研吾”の名を轟かせることとなった、中国は万里の長城脇にある「竹の家」です。 日本では、吉永小百合さんが出演したコマーシャルでご覧になった方も多いと思いますが、北京オリンピックの際には、世界的な映画監督であるチャン・イーモウ氏演出による開会式ビデオに、この「竹の家」が中国を代表する建築として画面いっぱいに映し出され、世界中に配信されました。 万里の長城と同様、龍のようにうねる傾斜地を造成せずそのまま利用し、周辺の緑もできる限り保存して建てたこの作品、実はホテルでもちろん宿泊もできますが、このように特殊な地形に沿って建物を建てる工法を、隈先生は万里の長城から学ばれたそうです。 「竹の家」はその名の通り、室内の壁も床も天井
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