いまの気持ちをどう表現したらいいのか。怒りと衝撃と深い悲しみと――。人質になっていたジャーナリストの後藤健二さんが殺害されたというニュースが飛び込んできました。人間は、こんなにも残酷になれるものなのか。悲しみは怒りに変わります。冷戦のタガ外れ、民族主義や宗教心が高揚イスラム過激派組織の自称「イスラム国」。世界は、とんでもない化け物を生み出してしまいました。先週金曜日は、東京工業大の後期講
昨日、この本を読んだ感想文だけで5万人を越えるアクセスを頂き、あらたな芸風を確立いたしました(笑)。Amazonのアソシエイトを見ますと、総アクセス数の150人にひとりくらいしか本を買ってる人がおりませんが、あくまでわたしのは「はしょった意訳」ですのでぜひ、きちんと読むことをオススメします。 しかしながら頭が凝り固まっているのか、ここまで意訳してるのによく理解できない方もいらっしゃいまして、本日は今朝ほどKindleで配信開始された池内恵(東京大学先端科学技術研究センター准教授)先生の「イスラーム国の衝撃」を朝4時から貪るように読んだ私が、平和ぼけした頭の皆さんに本の感想を語って聞かせようと思います。 イスラーム国の衝撃 (文春新書) Kindle版800円 なぜか7時現在、「ご利用頂けません」になってるのよ。どうして? ※その後、復帰しています この、「イスラーム国の衝撃」は名著です。す
我々日本人にとって、中東という地域は直視することが難しい存在である。欧米的なフィルターを通して見ることも多いため、馴染み深い価値観との違いにばかり目が向い、不可解で危険な存在と断定してしまうことも多いだろう。 本書のテーマとなっている「イスラム国」という存在についても、数多くの残虐な振る舞いがニュースやソーシャルメディアを通して喧伝され、その本当の姿を我々は知らない。だが我々が彼らの歴史を知っている以上に、彼らは我々の歴史をよく知っているようだ。 これらのバイアスを一度リセットし、むしろ我々にとって既知なるものとの類似性を対比することで評価を定めて行こうとするのが、本書『イスラム国 テロリストが国家を作るとき』である。 著者はテロ・ファイナンスを専門とする女性エコノミスト。そのような専門領域があったこと自体驚きなのだが、そこに行き着くまでの彼女のエピソードも面白い。かつて幼なじみの友達がテ
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