ふと思ったのだけれど(というよりずいぶん前から漠然と感じていたのだけれど)「文芸書」って「専門書」の一小分野だよね。 文芸書が売れなくなったというようなことをずっと前から繰り返し聞かされてきて、要するにそれは文芸書が今はもう専門書の範疇に入ったからなんじゃないか、とふと思ったわけ。 専門書というものの非常に雑な定義をしておくと、ある特殊で狭いテーマに関心がある人々にだけ売れる本。 実際に世に出る前にどのくらいの需要があるかある程度判断出来るので、うまくいけば必要とする人々にはほぼ行き渡り、必要としない人々に無理に売りつける必要がない範囲で採算をとれるように計画出来る(あくまでも、うまくいけば)。 文芸書が売れないのは、文芸に関心を持つ人が減ったから。 単に数が減っただけでなく、まるで死に絶えつつある伝統芸能のように、その内実や楽しみ方を知る人が減り、生活の一部分という存在からフェー