誰もいなくなった店内を確認してからシャッターを閉めると、裏の勝手口から一度外に出て必ずちゃんと閉まっているか確認する。 雨の日でも雪の日でもそうしている。 きっかけはある日の朝6時、向かいに住むご近所さんからかかってきた電話だ。 「朝早くにごめんなさいね。なんか、お店のシャッターが少し開いたままになってるみたいだけど…」 布団の温もりが一瞬で冷めた。 パジャマの上にフリースだけ引っ掛けて慌てて店の前に行く。 本当だった。 シャッターの下、三分の一くらいが運送業者の搬入したダンボールに引っかかって開いていた。 心臓が凍る。 中に入ると、一見変わりはないようだった。 レジを見る。 無事だ。 事務所の金庫も無事だった。 血眼になって店内のあちこちを確認するが、荒らされた形跡はない。 防犯ビデオを確認するが、運送業者以外が店に入った形跡はなかった。 へなへなと力が抜ける。 もう一度店内に戻る。 シ