焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」で発生した集団食中毒の影響で、石川県内の焼き肉店ではユッケなど生肉の提供を見合わせる動きが広がっている。 人気商品としてメニューに掲げる店も多く、業界関係者からは売り上げ減や今後の食肉消費への影響を懸念する声も出ている。 焼き肉大手チェーン「焼肉屋さかい」では2日から、県内の4店舗を含む全国143の直営店とフランチャイズ店で、ユッケの販売を中止した。同チェーンを運営する「さかい」(名古屋市)の担当者は「販売再開は未定。お客様の中にも不安を抱えている人がいるはずなので、今後の対応をしっかり考えたい」と話す。 金沢市内で焼き肉店を営む男性社長は、今回の食中毒を受けて自分の店舗でのユッケ販売をやめた。男性社長は「電話で生肉メニューの有無を確認し、無いと分かると予約を取り消す客もいる。それほど人気。だから店としてもなるべく出したいのだが……」と複雑な胸中を明かす。