国の文化審議会が、文部科学相に21日、答申した登録有形文化財(建造物)で、旧豊郷小校舎(豊郷町石畑)が選ばれた。かつて老朽化を原因とした解体話が持ち上がった際、住民の激しい反対運動が起こり、その後、保存へ。現在は人気アニメの舞台のモデルとして注目を集め、大勢の若者が訪れる観光スポットになっている。その学校が、いよいよ〈文化財〉になる。(高山千香、福永正樹) 旧豊郷小校舎はヴォーリズ建築事務所の手により、1937年完成。2階建て(一部3階建て)校舎を中心にして両端に講堂と図書館が左右対称となる形で配置されている。箱形を基調としたシンプルな意匠で、昭和初期のモダニズム建築の特徴をよく表している。 旧豊郷小校舎を巡っては、老朽化を理由に2000年、建て替え計画が浮上。保存を求める町民らは解体工事の差し止めを求めて大津地裁に仮処分申請し、存廃に関して大きな議論が巻き起こった。 その後、補強工事を施