富山市の環状線路面電車「セントラム」が23日で開業1か月を迎えた。 中心市街地活性化の切り札として同市が約30億円をかけて導入したが、「客足は伸びない」と渋い顔の商店主もおり、開業効果は今のところ実感できるほどではないようだ。一方、街中心部に住民を増やす取り組みが、じわりと広がっている。 床が低く、乗り降りしやすい2両編成の路面電車が、JR富山駅、県庁、富山城などを静かに巡る。 市の中心部から約2キロ離れた郊外に住む会社員佐々木浩さん(33)は「普段は車で出掛け、じっくり中心市街地を回ったことはなかったが、気付かなかった風景が見えてきた。知らない店が多く、これからセントラムを使って訪ねてみたい」と話す。 車の免許を返上し、沿線に住む亀井三郎さん(77)は「楽にゆったり乗れるのでありがたい。昔のように路面電車の路線をもっと延ばしてほしい」と語り、利用者には好評だ。 富山市は、車がな