134. C言語の進化 (2016/12/27) 今回あまり HPC ネタではありません。 新規開発で C でやる、ということもあまりなくなっているかもしれませんが、 C++ には何かをするための方法があまりに沢山あり、 STL も便利ですが記述 が極めて煩雑(C++11 で auto が導入されて改善はされてますがではそれまで はなんだったんだみたいな)であるとかそういうわけで結構言語仕様がどんど ん大きく変わるとか色々あって、長期にわたって継続的に(というか数年毎に ちょっとづつ)いじるような開発にはあんまりどうかなというところがありま す。 というわけで某プロジェクトのコードを十数年前に C++ ではなくて C で書い たものをいまだに使い回しているわけですが、Cも昔に比べると随分便利になっ てます。 構造体を返す関数とか構造体の代入とかできる(K&Rではできなかったの) 変数宣言が
11. 東京と日本の現状と今後(2021/8/28) 7月にはいってから8月末の現在まで、東京だけでなく日本全体で、新型コロナ ウイルス感染者の急速な増加が続いています。 図 11 に東京、 図 12 に日本全体での、 新型コロナウイルス新規感染者の日毎の数のグラフを示します。横軸の「0」 は8月1日です。なので、-30 が7月2日、30 が8月31日となります。 東京のほうは、6月第2週あたりから増加に移り、7月最終週くらいまで増加 が指数関数的なものより加速したあと、8月にはいってほぼ増加が止まって 一定になっているようにみえます。 一方、全国のデータは、少し遅れて6月第3週くらいから増加に移り、やはり 7月最終週まで増加率が加速したあと、8月にはいってから増加のペースは 落ちたものの指数関数的な増加が続いているようにみえます。 8月最終週は増加が止まっているかもしれません。 まず問題
孝好 @soul_warden 実を言うと社会学はもうだめです。突然こんなことを言ってごめんね。でも本当です。2-3日前に岩波科学を科学論文と言い出す人が現れました。それが終わりの合図です。程なく大きめのツッコミがあるから気をつけて。それがやんだら少しだけ間を置いて「理科の教科書は査読受けてない」って言い出します twitter.com/preciousheart7… 2021-01-29 15:24:11 石川洋行『消費と労働の文化社会学』発売中 @preciousheart74 >非査読論文は自然科学の世界では「不確か極まる代物」としか看做されず研究成果にもなりません。「読んで説得力がある」では駄目なのです。 そうですか。 理科の教科書は「説得力がある」非査読物ですが、これは自然科学では「不確か極まる代物」としか見做されないんですねよく分かりました twitter.com/Shimof
7. 朝日新聞記事における牧野の文章の不適切な利用について(2020/7/8; 2020/7/11、12追記) 朝日新聞7月7日記事 新型 コロナ、第2波来てる? 基準になる数字を整理した(伊藤隆太郎)に、 以下の文章があります。 神戸大の牧野淳一郎教授は科学誌の連載で実効再生産数について「専門家 会議はまったく意味がないデータをもってきて、見解を出したことになる」 と批判した。 これは「科学誌の連載」と書いてあって出典が示されていないので、私のどの 文章なのか明らかではないのですが、おそらく、岩波「科学」 2020年6月号の記事の以下の文章 極めて信じ難いことですが、「専門家会議」は、全く意味がないデータをもっ てきて、 3月上旬以降をみると、連続して1を下回り続けています という見解をだした、ということになります。 を改変した上で利用したものと思われます。 これには、以下の問題がありま
8. K値(2020/7/23) 色々話題となっている「K値」について、 medRxiv にある 元論文 の内容を検討します。 まず、 K値自体は、 と定義されます。d は日を単 位とした時間、Nはある時刻での累積の患者数です。回復した人を除くのかど うかは明記されていませんが、減ることはないとされているので除かない ものと思われます。 K値自体は単に1週間でどれだけの割合で累積患者数が増えたか、というもので すが、次に「モデル」ないし仮定がはいります。 で、k は定数とされています。そうすると、 と で、 なので、 となって、 の極限で必ず収束する、という「モデ ル」であることがわかります。 (2020/7/25 追記) この k は論文では a constant dumping factor とされていて 1 より小さい ことが暗黙に仮定されていますが、しかし実際のデータでは必ずしも
1. いろいろなモデル計算 (2020/4/10) コロナウイルス(SARS-CoV-2) の感染がどのように広がるかについては色々な ことがいわれています。が、その背景にあるモデルはほぼ同じで、 Kermack and McKendrick の SIR モデル A contribution to the mathematical theory of epidemics, 1927, Proceedings of the Royal Society A です。これについての牧野による解説は 岩波「科学」5月号掲載予定の原稿に書いた通りなので、まずはそちら を御覧いただければと思います。 基本的にはこのモデルを使っているにもかかわらず、どう対策をする必要があ るか、については色々な人が色々なことをいっていて、大きな幅があります。 ここでは、そのうち3つを取り上げて、どのような違いが生じている
122. PEZY-SC と「睡蓮」(2014/11/21) 2014/11 の Top500 には、久しぶりに Intel 等の巨大企業ではないベンチャー の独自開発によるプロセッサがエントリーしました。 KEK に設置された ExaScaler-1 「睡蓮」です。 Dual Xeon の普通のノードに、 PEZY-SC なる独自開発の MIMD 1024 コアプロセッサを2つ載せた ボードを4枚搭載したたシステムです。 PEZY-SC は動作クロック 733MHz, 倍精度ピーク演算性能 1.5TF、 チップ自体の消費電力は 65W と発表されています。製造プロセスは TSMC の28 HPM で、我々が GRAPE-X の試作に使ってものと同じ、 電力あたり性能も大差ありません。GRAPE-X では、若干低電圧側に ふった動作で 30GF/W を実現しています。 さらに、 2014/
133. ShenWei TaihuLight (2016/6/23) 改めて書くまでもありませんが、以下は牧野個人の見解であり AICS の見解を代表 するものではありません。 2016年6月の Top 500 では、中国の ShenWei TaihuLight システムが、ピーク 性能 125PF、HPL 性能 93PF と驚異的な数値を叩き出して同じ中国の Tianhe-2 が 2013年6月から守っていた1位の数値を3年ぶりに書き換え、6期連 続で中国設置のマシンがトップとなりました。 本稿では、この TaihuLight の意義を少し考えたいと思います。 まず、TaihuLight で使われているプロセッサは Tianhe-2 と異なり、設計か ら(おそらくファブまで)純粋に中国製です。Tianhe-2 はXeon + Xeon Phi (KNC) だったわけですが、TaihuL
73. GRAPE-DR 上の LINPACK (2009/11/13) 今日は、次世代スーパーコンピューターが民主党政権下の 「事業仕分け」というもので、「来年度の予算計上見送りに限りなく近い縮減」 だか「事実上の凍結」だかになった、という話題もあるので、これについても 思うことを少し。 スーパーコンピューター開発は日本の科学技術にとってとっても大事であり、 ちゃんと進めるべきであるから見送りとか凍結はおかしい、という意見はまあ あると思いますが、行政刷新会議の録音とかを聞いてみると結構プロジェクト が迷走した過程等を問題にしていて、そのまま進めるよりは見直すべきでは? という発言がでていることがわかります。ここでも何度も何度も書いてきたこ とでもありますが、当初の3種混合から途中で1つに絞ろうとしたり(いや、そ うではない、とかいう話もありましたが)、結局絞りきれなくて2つになって数
57. 池田信夫氏の京速批判 (2008/2/3) 池田信夫氏という、経済学者であるらしい人の 京速計算機批判で、私の文章があたかも彼の主張をサポートするもので あるかのように引用されています。 スパコンGRAPEを開発した牧野淳一郎氏も指摘するように、ベクトル型の寿 命は20年前に終わっているのだ。 とか 追記:牧野氏が、京速計算機についてきびしい評価をしている。「 2010年 度末には大体のシステムを完成させる、ということになっています。プロ セッサから新しく作るのであるとまあ 5年はかかりますから、これは、既 に時間が足りない、ということを意味しています」。つまり「新たにCPUか ら作る」という計画が、ムーアの法則を無視した愚かな発想なのだ。 とか。まあ、その、専門家でない人が書くことですし、別にどうでも良いかと思って いたのですが、最近池田氏が色々な主張をするのに、私のこの文章が
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