米澤穂信『追想五断章』。本文書体は仮名がヒラギノ明朝で漢字が凸版明朝。この組み合わせって、はじめて見た気がする。 追想五断章 作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/08/26メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 86回この商品を含むブログ (122件) を見る すべてヒラギノ明朝で組んでも、見た目はたいして変わらないんじゃないかとも思うけれど、もしかして「闇」とか「朧」とかの「立」の点をタテではなくヨコにしたかったとか?
何が小学館仕様なのかを説明する前に取りあえずご覧下さい。 (c)『ゲッサン 6月号』(小学館)よりあずまきよひこ「あずまんが大王」58p 『電撃コミックス』(アスキー・メディアワークス)よりあずまきよひこ「あずまんが大王」66p 左がゲッサン掲載の「新装版あずまんが大王」に収録される新作の補習編で、 右が従来の電撃コミックスの「あずまんが大王」です。 絵柄が昔のシンプルな線なのに対して、 最近の細やかな線になっているのもそうですが、 一つ明らかに変わっている点があります。 お気付きでしょうか? ゲッサンの「あずまんが大王」は句読点が付いているのです。 吹き出しの台詞に句読点が付くのは小学館での標準仕様で、 Wikipediaに載っているくらいに有名だったりします。 小学館発行の漫画雑誌の台詞表現には、句読点を必ず、と言ってよいほど用いるという特色がある(ただし、『ちゃお』などの少女漫画誌で
※DITAとは、技術文書作成のためのXML構造を規定した国際標準である。DITAを利用したドキュメント制作・管理が国際的に進展しており、注目されている。 DITAとは、技術文書作成のためのXML構造を規定したものである。元々はIBMの社内文書を記述するために考案され、後に標準化機関のOASISによって、国際標準となった。 テキスト&グラフィックス研究会 では、DITAを利用してドキュメント制作・管理をおこなう手法について、日本ユニテック の天野忍氏に聞いた。 ■DITAとは DITAでは、個々のコンテンツをトピックという小さな単位で作成し、マップと呼ばれる目次で1冊のマニュアルを構成する。 従来からマニュアル向けのスキーマとしてDocBook、XdocBookなどが存在するが、DITAならそれらを一本化することが出来る。 また、DITAのためのフリーツールも数多く提供されており、導入が容易
InDesign CS4で「厩」を入力・選択し、字形パネルをダブルクリックしてCID+13647に置換。フォントは(たとえば)小塚明朝Pr6N。そのウェイトを変更してみる。と、CID+13412に化ける(下図)。 このグリフ化けのおもしろい点は、cmapテーブルもaaltテーブルも共通だと思われるフォント間で(ウェイトの違いのみで)化けていること。以下、化ける理屈(推測)について、大雑把に述べる。 InDesignにおけるaalt(すべての異体字)タグを利用したグリフ置換のメカニズムは、cmapテーブルまたはaaltテーブルが異なるフォント間では、基本的にうまく機能しない。実際、InDesign 2では、いろいろ化けていた。 CS以降のInDesignでは、Adobe-Japan1-4とAdobe-Japan1-5のcmapテーブルの違いおよび2系統存在するaaltテーブルの違いへの対策が
2023年06月01日自在眼発売終了のお知らせ自在眼は、2023年7月31日で販売を終了いたします。 サポートは2024年7月31日で終了します。 長らくの間ご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。2022年10月20日『瞬簡PDF 統合版 13』を2022年10月20日新発売4つのソフトを同梱したお得なパッケージがバージョンアップ! 『瞬簡PDF 統合版 13』を2022年10月20日新発売 今回のバージョンアップでは【瞬簡PDF 書けまっせ】が新バージョンとなり、64ビット対応やユーザーインターフェイスの見直し、手書き、差込み機能など様々な機能が強化されています。2023年02月07日価格改定のお知らせ下記製品について2月13日から価格を改定いたします。 XSL-FOの基礎 - XMLを組版するためのレイアウト仕様 第2版 925円(税抜き)→930円(税抜き) スタイルシート開発の
記事(及び画像)中で【行末約物】の扱いについて「全角/半角浮動」「全角/半角(浮動)」などと表記してあるものは「状況により全角/半角の二者択一」という意味であり、決して中間値を採るという意味ではありません。私の(用語的な)理解不足による不適切な表記に他なりません。ご寛恕くださいませ。 ※InDesignの文字組みアキ量設定の基本設定画面の「50%(0%〜50%)」などは「最適/50%、最小/0%、最大/50%」ということで中間値を許容します。しかし、行末設定に現れる「50%/0%」は「最適50%/最小0%」、「0%/50%」は「最適0%/最大50%」の二択で中間値は採りません。 ※「〜」の有無で見分ければいいでしょう(もちろん、「固定」は固定)。 これは以前に「禁則処理のなんでやねん!」という記事で触れたことでもあるが、さらにその原因を探るとともに回避法までを考えてみた。 まず、不可解な状
林蘊蓄斎の書物な日々南陀楼綾繁『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(幻冬舎、二〇〇九年、装丁=松永大剛)。以前このブログでも取り上げたサンヤツ広告、あるいはゴヨツ(五段四割)、ゴムツ(五段六割)、ゴダンジュウニワリ、ハンゴ(半五段)、ゼンゴ(全五段)、全面(全十五段)などの新聞の出版広告の代理店「とうこう・あい」六十年史である。同時にベスセラー快読にもなっているし、見城徹(幻冬舎)、紀田順一郎、村崎和也(元・有斐閣)、渡邊隆男(二玄社)諸氏への広告に関するインタビューもいろいろなこだわりが見えて面白い。 南陀楼氏より献本されたのだが、挟まれていた「新刊をお送りします」という挨拶状があまりに正直なので引用しておく。紋切型が多い中で実感がこもった挨拶状だと思う。 《これは、「企業出版」というもので、広告会社とうこう・あいの社史として企画されたものです。一般の読者にも読めるものにしよう
お盆休み前に最近のDTP事情はどうなっているのかと思い,雑誌を求めて書店へ行ったところDTP雑誌と呼べるもの自体がなくなっていた。いろいろな雑誌が芳しくないことは知っていたが,月刊でなくなっただけだろうと思っていた。しかし,状況はそうではなかった。 雑誌がないということは,当然ながらそれぞれの分野・領域の専門を当たらなければならない。そして,専門書には印刷に特化したことは書かれていない。これが何を意味するのかよく考えなくてはいけない。 「印刷機材メーカーのマーケターやエンジニアに聞けば良いではないか」という声が返ってきそうだが,そんなことでいいのだろうか。雑誌がなくなったということがどういうことかをもっとよく考える必要がある。 我々はこのあたりで本当に気付かなければいけない。
あまり時間がないので短くご報告。 Microsoftの「Windows 7向けJIS90互換フォントパッケージの提供と今後について」記者説明会に行ってきました。これについてはプレスリリースも出ています。 Windows(R) 7 向け JIS90 互換フォントパッケージの提供 より詳しくはINTERNET Watchの記事などをご参照ください。 マイクロソフト、JIS90互換フォントの提供はWindows 7で最後 細部は記事にゆずるとして、ぼくが重要だと思ったことは以下の点です。 Windows Vistaによるフォント変更について、同社コールセンターに対し、クレームの電話は1件もかかってきていない。 Microsoftは(今のところ)この件について、ユーザーに大きな混乱は発生しなかったと考えている。 Windows Vistaでフォント・デザインが変更されたことについては、2006年に
+ DESIGNING (プラスデザイニング) 2009年 08月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ発売日: 2009/06/27メディア: 雑誌この商品を含むブログ (4件) を見る筆跡の文化史 (講談社学術文庫) 作者: 原子朗出版社/メーカー: 講談社発売日: 1997/09メディア: 文庫購入: 1人 この商品を含むブログ (3件) を見る氣になる内容。「書く」ということ (文春新書) 作者: 石川九楊出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/05メディア: 新書購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (11件) を見る 本デアル 作者: 夏目房之介出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2009/05/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る ブックデザイン・本文設計は祖父江慎+コズフィッ
和文活字の可読性について、昭和十八年の『印刷雑誌』に、今井直一が「活字書体と読み易さ」と題する記事を残してゐる*1。これは、昭和二十四年に出された今井の単行本『書物と活字』第五章「和文活字の読みやすさ」の基になったもの。 Readability(可読性・読みやすさ)、Legibility(判別性・見わけやすさ)といった概念は、当時の欧文活字かぶれによって本邦の活字界にもたらされたモノの見方なんだども*2、当時はスノビズムに留まらない実際的な必要性があり、今井は「活字書体と読み易さ」を次の文句で書き始めてゐる。 近年視力保健に対する一般の関心が昴り昂り、近視予防の方法として、書籍雑誌に関して改善の諸方策が講ぜられつゝある。 今井の記事は『『印刷雑誌』とその時代―実況・印刷の近現代史』(asin:4870851911)にも収録されてゐるんだども、印刷図書館と国会図書館の双方で昭和十年代の『印刷
このほど発刊された「JAGAT印刷産業経営動向調査2009」よりDTP環境に関する調査結果を紹介する。 JAGATでは「印刷産業経営力調査」の一環として「設備動向調査」を行っている。その調査結果からDTP環境に関する設問結果を二点ピックアップし紹介する。 制作・製造現場のMacマシンのOS MacOSXの台数がMacOS9の台数を逆転し過半数を占めた。各社の全Macに占めるMacOSXの台数比率をみると「50%以上~70%未満」の層が最も多く29.7%となっている。前回は「10%以上~30%未満」の層が31.1%で最も多かった。一方、MacOSXが一台もない企業は5%を割り込んでいる。 入稿形態構成比 すでにレイアウトされた印刷原稿の入稿形態の構成比を問うている。最も構成比が高いのは「Illustrator」で43.8%であるが徐々に減少傾向である。次いで「PDF」が14.6%、「MS-O
InDesignで日本語の詰め組みをする場合、「文字ツメ」を使う方法と、OpenType機能の「プロポーショナルメトリクス」(またはカーニングの「メトリクス」)を使う方法がある*1。その基本的なロジックの違いをメモ。 「文字ツメ」は、文字左右のサイドベアリング(下図ピンク地)を、指定した数値に応じて削るものと考えればよいだろう。もともとプロポーショナルで設計されているアルファベットのサイドベアリングも、削られてしまう。図に用いたフォントはリュウミンR。 「プロポーショナルメトリクス」は、OpenTypeフォントがあるかじめ持っている詰め情報('palt'フィーチャ)に基づいて詰める(下図、水色地がリュウミンRで詰められる部分)。詰め加減はフォントに依存するが、プロポーショナルで設計されているアルファベットのサイドベアリングが削られるようなことはないだろう。また、「鬱」のように幅のある漢字は
先日のInDesign互換ファイル(.inx)で遭遇した件を、私なりに大まかではあるが検証してみた。 まずは試しにCS2で作成したファイルを 「基本段落」(左)はカスタマイズしてあるが、「段落スタイルなし(本来のアプリケーションデフォルト?)」から作成されるようで、その変更部分が羅列されている(行送りのみ「基本段落」適用後「自動→30H」に変更)。 フレームグリッド用の段落スタイル(右)は「基本段落」を基準に作成したが、レイアウトグリッド(画像リンク)に合わせた各種の変更が加えられている。 左右とも文字サイズを変更している部分は200%相当のサイズ(26Qと30Q、以下同)。 CS3で開いてみた。 行送りの基準位置の表示が違い、上のCS2では「中央上」と表示されている。が、CS2では「仮想ボディの中央」を選ぶとこう表示されるようで、「誤植」のようなモノ。 基本的設定は引き継がれ、とくに問題
某氏より御教示いただいた「サンヤツ」広告。サンヤツは新聞紙の第一面下部の書籍広告のこと。タテ三段分のスペースを八等分したところからそう呼ばれる。これは森田誠吾編『三段八割秀作集』(精美堂、一九七二年)に収録されている筑摩書房のサンヤツ。某氏いわく吉岡実作であると。 《この『三段八割秀作集』には筑摩書房の作例も8本紹介されているが、いずれも活字の構成の巧みさで抜きんでている。制作者名は宣伝課としか記されていないが、私は氏の数々の装幀の活字扱いから吉岡の作品と見た。》 たしかにかなり凝った文字組みだ。吉岡実の装幀はセンターが基本である。そういう意味ではこのサンヤツもタテの中心線を強く意識した構成になっている。たとえば「明治文学全集」の利き具合にシビレル。 ÷ 昨日の『新文学』の表4広告。「強力メタボリン錠」、これは疲労回復のビタミン剤。昨今話題のメタボすなわちメタボリックシンドローム(英 me
来年も作りたい!ふきのとう料理を満喫した 2024年春の記録 春は自炊が楽しい季節 1年の中で最も自炊が楽しい季節は春だと思う。スーパーの棚にやわらかな色合いの野菜が並ぶと自然とこころが弾む。 中でもときめくのは山菜だ。早いと2月下旬ごろから並び始めるそれは、タラの芽、ふきのとうと続き、桜の頃にはうるい、ウド、こ…
中国語(漢語)の文章における句読点(標点符号【标点符号 biāodiǎn fúhào】)の基本的な用法。 中華人民共和国国家標準 GB/T 15834-1995 標点符号用法【标点符号用法 -yòngfǎ; en: Use of punctuation marks】による。 1951年9月、中央人民政府出版総署が旧「標点符号用法」を公布。 1990年3月、国家語言文字工作委員会と中華人民共和国新聞出版署により旧「標点符号用法」を改定。 1990年版を基礎として「GB/T 15834-1995 標点符号用法」を作成し、1995年12月13日、国家技術監督局より発布。 1996年6月1日、「GB/T 15834-1995 標点符号用法」実施。 規格名に “GB/T” とあるように、強制規格ではなく任意規格(推薦【推荐 tuījiàn】)である。 このページに関する注意 フォントにより、表示され
6年目となる「カイタッチ・プロジェクト!」につきまして 2013年6月末より貝印公式Facebookページに拠点を移すことになりました。 これまでの、お客様のブログを訪問するスタイルから 社員がさまざまなヒト・モノ・コトへFacebook上でカイタッチし みなさまへ発信する活動へと変わります。 ブログへの訪問は終了となりますが、お客さまの元へお邪魔しタッチすることで たくさんの感動や学びを得ることができました。 貝印社員一同、心より御礼申し上げます。 これからもお客さまの声に触れる姿勢は変わることなく、 カタチにこだわらずに努めてまいります。 誠にありがとうございました。 ▼貝印 公式Facebookページはこちら▼ https://www.facebook.com/kai.corporation また、全国のパティシエを目指す高校生たちが、 世界にひとつしかないオリジナルスイーツで競う「
誠文堂新光社『アイデア』誌に連載され後に『組版/タイポグラフィの廻廊』(asin:4834400980)に収録された、府川充男さんと小宮山博史さん、日下潤一さんの鼎談「仮名と書体を見る眼」の中で、進行役(たぶん編集部の中の人)からマンガのアンチゴチについて話を振られた府川さんが、かうした話をされてゐた(『タイポグラフィの廻廊』154-156頁)。 漫画の吹出しの今のスタイルは、『少年マガジン』と『少年サンデー』を大日本印刷が印刷していたのが大きな要因になって定着したんだと思いますね。ゴシック+アンチックはたぶん大日本のハウス・スタイルだったんですよ。漫画の吹き出しのネームは、昔は色んな種類があって、和文タイプの清刷をそのまま切って貼ったりしているものが多かった。吹き出し全部が教科書体で組まれていた漫画もあったし、多様だったんです。写植は意外と少なかった。それが漫画週刊誌が登場してくると、大
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