少し名の知れた学者が新書でバカ話を放言するスタイルは「超」文章法 (中公新書)に似ている。 論理を重んじたり自由や平等を基本としたりといった近代的合理精神は限界があり、 品格のある国家となるために武士道や日本の情緒を重視すべしという提言がウケているのか、 この本はよく売れているらしい。 言いたいことはまぁ日本人の心情としては理解できるし心地良く響くのだが、 いくら論理を重んじないといっても理屈が不明な放言を次々聞かされてはたまらない。 武士道とか日本人の情緒とか、 普遍性のない思想を国家の基盤としてどうするんだろう。 武士道では「卑怯なことをしない」態度が重要らしいが、 たとえば大勢でひとりを制裁したり女性を殴ったりすることは卑怯なんだそうである。 要するに藤原氏の価値観に合致しないものが「卑怯」であるらしい。 ちなみに 論理だけでは世の中うまくいかないことを説明す