私の研究を簡単に説明すると、ゲーム理論の前提となるところをやっている、ということになるでしょうか。「提携」「党派」というものがキーワードになると思います。ゲーム理論は、意思決定理論です。意思決定理論と言ってしまうと、ひとりで行える意思決定と、複数の人がかかわってくるような意思決定があるのですが、私はどちらかというと複数の人の意思決定について研究しています。ゲーム理論は、そういう複数の意思決定者がかかわるような意思決定状況を記述するのには優れているのです。数理的に書くという意味をこめて、数理的意思決定理論と呼んでいます。 ゲーム理論では、しばしば、意思決定者は完全に合理的である、という前提をおきます。意思決定にかかわるすべての情報を持っていて、どんな未来も見通せる。判断にブレがない。計算能力も高くて、複雑な確率計算もできる、という意思決定者を想定するわけです。もうひとつの前提は、情報が完備で
チェックランドはソフト思考の人です。彼は人間の活動は千差万別、一般法則なんか見出せない、という考え方をして、ソフト・システム・アプローチを提唱しました。チェックランドは、ユニバーサルな法則は仮定しない。目的は一般的な法則を立てるのではなく、日々の意思決定を支援する。そのための方法論を提案する。そういう考え方をシステム論に導入した最初の本です。1985年に我々が翻訳して、彼の日本初の出版を実現しました。なお、原本は1999年に第2版が出ています。 翻訳をきっかけとして、1986~87年、イギリスの彼のもとに留学して一緒に研究活動をしました。彼のいたランカスター地方はイギリス北西部の湖水地方で、とてもきれいなところでした。ピーターラビットの故郷ですね。彼は、山登り、ロッククライミングを趣味にして、ジャズが好きで、いつもツイードのジャケット着ていました。そういうライフスタイルを続けるためにランカ
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