2005年12月17日に発刊されたBMJ掲載論文、"Time to pregnancy and sex of offspring: cohort study"より。 ------------ 精子が運ぶXとY遺伝子の比率はちょうど50%であるが、男児は女児より多く生まれる。男児の胚と胎児死亡率は女児より高いことが知られており、それを勘案すると受胎の際は男児の率がさらに高いことになる。この理由は未だに説明されていない。 この謎を解く鍵は、おそらく受精と受胎の過程にあると思われる。つまり、Y遺伝子をもつ精子はより受精の成功率が高いのであろう。一つの仮説は、Y精子はX精子と比べて、粘液の中をより速く泳げるというものである。 自然受胎では、精子は子宮頚部の粘液部分を自力で通過する必要がある。従って、その粘稠度が受胎の成功率に関与する割合が高いことになる。我々は、妊娠に至る期間が長いほど、男児が