人民元の切り下げショックに端を発した中国経済に対する懸念は株式市場を直撃し、パニック的な世界同時株安を引き起こした。中国経済が今後、どのように推移するのかはまだ何とも言えないが、少なくとも短期間でV字回復するというシナリオは描きにくくなっている。それは、中国が日本のバブル崩壊後と同じように、深刻なバランスシート不況に突入した可能性が高いからである。 もっとも中国経済はまだ発展途上であり、日本のバブル期ほどの成熟度には達していないとの見方もある。日本の歴史に当てはめれば、旧山一証券が破たんの瀬戸際まで追い込まれた1965年のいわゆる「(昭和)40年不況」に近い状況かもしれない。もしそうだとするならば、思いのほか早いタイミングで成長軌道に復帰させることも可能となるわけだが、果たしてどちらだろうか。 中国経済は非常にちぐはぐな状況 2000年代における中国の実質GDP成長率は10%を超えていたが