食糧安保政策が中国の最重要課題に 日本ではあまりニュースにならなかったが、昨年12月に行われた中央経済工作会議、つまり中国共産党の2014年の経済の指針を決める重要会議の主要6大テーマのうち、筆頭は食糧安保であった。 「誰が中国を養うのか」というのは、1994年に米民間シンクタンク・地球政策研究所長のレスター・ブラウンがすでに提起していたが、21世紀に入ると中国の経済発展の影に隠れてあまり表沙汰に議論されることはなくなっていた。 食糧生産量は連続10年増加しており、中国に食糧リスクがあるということを政府としては、あまり声高には言わずにきた。なにせ半世紀前には飢餓地獄を経験し、その歴史の記憶をまだ根強く持つ国なので、食糧危機は口にするのも恐ろしい事態なのだ。 ところが2012年は、食糧需給率が90%を切ったといわれ、そうも言っておられなくなったのだろう。にわかに食糧危機、食糧安保という言葉が