(2010年10月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) エネルギー節約に走る今の中国の熱狂ぶりを理解するためには、最近新聞に掲載された漫画を見ればいい。 黒い袖に「省エネ・排出削減目標」と書かれた腕が、怯えきった小さな役人を押さえつけると、役人がレバーを引いて市民と企業への電力供給を断つ。恐怖に震える役人は「こんな重圧の下では、ブレーキをかけて電力を制限するしかない!」と叫ぶ――。 この風刺漫画は、省エネ運動が中国全土の地方政府・自治体にもたらしたパニックと、その結果、各政府が取っている必死の措置を描いたものだ。 北京の中央政府は今年末までにエネルギー消費削減目標を達成すべく対応を急いでいる。GDP(国内総生産)単位当たりのエネルギー消費量を20%削減するという目標だ。地方の政府関係者は、熱心な省エネ対策で上層部を感心させようと競い合っており、時に思わぬ結果を招いている。 目標達成のた