ウクライナ情勢でそれなりに見えてきた点についてこの時点で簡単に言及しておきたい。落とし所としてのウクライナ連邦制がようやく見えてきた。 クリミアのロシア編入に続いて、西側報道ではウクライナ東部がどうなるか、ロシアに編入されるかという領土的な枠組みで話題になることもあった。だが、ロシア、プーチン大統領の出すメッセージは当初からこの点では明瞭だった。クリミアが「固有の領土」であると言及した時点で、ウクライナ東部編入はないことは自明だった。 しかしこの問題が「固有の領土」の問題ではなく、ロシア系住民の安全の問題となれば、ロシア軍が動くことは避けられないし、その覚悟も示さざるを得ない。このことは実は西側諸国も了解していたので、ウクライナ暫定政権が挑発に出ないよう気をもんでいた。 混迷にロシア政府の関与はないのか。ウクライナ東部のドネツクで政府庁舎などを占拠した親ロシア派武装勢力の背後にロシアの支持
はびこる汚職、“政府に倣え”の裁判所、大統領官邸の玄関先にまで迫る貧困の波――。中央アジアの独裁国家諸国と、このほど打ち倒されたウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権との間には、やっかいなほどに明白な類似点がある。今回のウクライナでの出来事は、中央アジアの年老いた独裁者たちを2つの点で怯えさせている。 1つは、ウクライナの首都キエフで起こった反政府運動がヤヌコビッチ前大統領を失脚させたこと。これが中央アジアの革命に飛び火する可能性がある。2つ目は、将来ロシアが自国に侵攻してくるのではないかという懸念だ――ロシアはウクライナの政変を受けて、同国南部のクリミア自治共和国を掌握した。旧ソビエト連邦の構成国だった中央アジア5カ国はいずれもロシア系の住民を抱えている。そして少数派であるこれらロシア系住民は、ロシアの「保護」を受けるようになるクリミア住民よりも自分たちは軽んじられてきたと不満を募らせて
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ウクライナでは、クリミア半島にロシア軍が展開する中で、ウクライナ軍との睨み合いが続いています。一方で、アメリカやEUの行動には毅然とした姿勢が見られずプーチンが「やりたい放題」のようにも見えます。 ですが、週明けの情勢を分析してみると、その奥には「プーチンのロシア」の苦境がチラチラと姿を見せている、今回はその辺をお話しようと思います。 まず、プーチンの行動ですが、クリミアが欲しいとか、東ウクライナがどうとか、あるいはウクライナを丸ごと「ユーラシア連合入り」させたいなどというのは、全て求心力維持のためのポーズだと思います。2~3月にかけての彼の一連の行動の動機は別にあり、その正体を見せてしまうと権威が失墜してしまうので、「強がる」ために軍隊を見せて領土がどうとか、戦争がどうという「イメージ」を流させているだけです。 実はプーチンは困っているのです。というのはウクライナでは金融危機が再燃してい
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