刑務所などの出所者に対して生活保護を実施する自治体について「刑務所の所在地」と定めた通知を、厚生労働省が約50年ぶりに改正し、出所者が申請した自治体が責任を負う方針に転換したことが分かった。国が障害や高齢のため自立困難な出所者への福祉的支援を始める中、刑務所のある自治体から負担増を懸念する声が上がったり、刑務所の周辺自治体で出所者の申請が断られたりするトラブルも相次いでいた。 厚労省は今年4月1日付で通知の「刑務所の所在地」の規定を削除した。生活保護法では「居住地がないか明らかでない要保護者は現在地(所在する場所)を所管する福祉事務所が実施責任を負う」と定めている。1963年4月の旧厚生省社会局長通知では刑務所または少年院から釈放・仮釈放された者について「帰住地がないか、または明らかでない場合は、当該刑務所または少年院の所在地を現在地とみなす」と規定、帰る先のない出所者は刑務所所在地の自治