オランダ・アムステルダム自由大学のアンドリュー・S・タネンバウム教授は、コンピュータ・サイエンスの分野で高く評価されている数々の定番教科書の執筆やLinux開発のきっかけを作った学習用UNIX「MINIX」の開発で広く知られる。タネンバウム教授の著作の1冊で、定番中の定番と評される『コンピュータネットワーク』を10年ぶりに改定した『第6版』の邦訳が、2023年3月に日経BPから刊行された。この本の魅力や歴史、最新第6版でどこが改定されたかなどについて、訳者の1人である相田仁氏に解説してもらった。(日経BP第2編集部) 『コンピュータネットワーク第6版』は、アンドリュー・S・タネンバウム(Dr. Andrew Stuart Tanenbaum)らによる書籍『Computer Networks』の第6版の翻訳書である。技術の教科書ではあるが、それにとどまらず、インターネットをはじめとするコンピ