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ブックマーク / brevis.exblog.jp (165)

  • 「頭がいい」ということは、本当にそんなに「良い」ことだろうか | タイム・コンサルタントの日誌から

    ボールを胸の真ん中でグローブに受けたとき、バシン、という重たさを感じた。「この子は肩が良いな」と思った。近所の公園で、息子とその友達と一緒にキャッチボールをして遊んでいた時のことである。息子と少し投げ合った後で、その友達の投げたボールを受けたら、スピードもコントロールもぜんぜん違ったのである。後で聞いたら、その子の母親も昔はソフトボールのピッチャーだったという。“生まれつき肩が良いって、あるんだな”と思った。 もちろん、ボールを速く、正確に投げられるというのは、肩という「身体の部分品」の出来がいいだけでは十分ではない。周囲の筋肉の使い方、タイミング、バランス感覚、などが総合されて、はじめていい球が投げられる。肩が良いというのは、一種の総合力なのである。 他の子をほめたので、一応自分の子供の良い所も挙げてみようか。息子は「鼻が良い」といえるだろう。微妙な匂いも非常に敏感に嗅ぎ分けられる。小さ

    「頭がいい」ということは、本当にそんなに「良い」ことだろうか | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2014/03/26
    知的エリート層は、じつはとても大衆的
  • Drag Cost - 納期を加味した真のコストを考える | タイム・コンサルタントの日誌から

    Liquidated damagesという英語をご存じだろうか。地震による「液状化の損害」、ではない。Damageはダメージ、被害だが、複数形でdamagesになると、損害賠償を表す契約用語になる。これは主に納期や性能など、請負側が保証すべき義務を果たせなかった際の損害賠償金のことで、あらかじめ契約で規定しておく。とくに納期遅れに対して科せられることが多く、商社やエンジ会社など、海外との契約を多く取り交わす企業では、略して『リキダメ』などと隠語風に呼ばれる。もし英文の契約書にこの言葉を見つけたら要注意だ。 納期遅れに対するLiquidated damagesは、日数に比例して計算する。1日10万円とか100万円で、遅れた日数分をかけて精算する。ただし、一定の上限を定めるのが普通である(たとえば受注金額の8%まで、等)。大型のプラント建設プロジェクトでは1日1億円近いケースもある。厳しい条件

    Drag Cost - 納期を加味した真のコストを考える | タイム・コンサルタントの日誌から
  • タイム・コンサルタントの日誌から : Excelで工程表を書いてはいけない

    さる8月、翔泳社主催の「PM Conference 2008」に招かれて講演をした。テーマはプロジェクト・コントロールの技法論で、私が長い間、エンジニアリング業界とIT業界の二足のわらじを履いてきた経験から、両者の比較を論じたものだった。最近のIT業界における「プロジェクト・マネジメント」の認識の普及進展はめざましいものがある。これに対して、エンジニアリング業界は過去10年以上、EVMSの徹底化以外とくに主立った進歩はない。にもかかわらず、両者の違いはいまだ歴然としたものがあり、それはとくにプロジェクト・コントロールの基であるWBSやコントロール・リストなどの使い方で明瞭だ、というのが論旨だった。 ところで、この講演の中で、「工程表のガントチャートExcelで書いてはいけない」と強調した点が、どうも多くの聴衆の注意を引いたらしい。終わってからのアンケートでも、そこに関する感想が少なくな

    タイム・コンサルタントの日誌から : Excelで工程表を書いてはいけない
  • Pushで標準化し、Pullで差別化する | タイム・コンサルタントの日誌から

    包丁で材を切るとき、わたしは押して切るくせがある。しかし料理番組を見ても、身近な人を見ても、ふつうは包丁を引きながら切るようだ。ちなみに、自分が料理を覚えたのは、3ヶ月ほどアメリカの留学生寮に一人で住んでいたときだった。アメリカ人は、押して切る人が多い。別にそれを見て真似たつもりは全然ないのだが・・でも、日アメリカとでは、ちょっとした道具の使い方が正反対なことが意外だった。ノコギリや鉋などでも、日と西洋では方向が反対である。日は引いて切るのに、彼らは押して切る。 そのことから、「米国はPush型、日はPull型だ」などと陳腐な比較文化論を述べるつもりはない。だが、それにしても、セールスのあり方などで日米はずいぶん違うな、と感じることはある。アメリカ人のセールスは、やはりPush〔押し)が基である。来日した米国の大手ベンダーのシニア・マネジメントなどと話していると、「我が社の製

    Pushで標準化し、Pullで差別化する | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2014/03/05
    ユーザがへんてこな要求をしたら、“それは設計思想に合いません”と、NOと言えるだけの『Push力』を持ってほしい
  • ATO、BTO、CTO | タイム・コンサルタントの日誌から

    生産管理のを読むと、最初に生産形態の分類が出てくる。「受注生産」と「見込み生産」だ。受注生産はさらに、個別受注生産と繰返し受注生産に分けられる。 見込み生産は、たいていの人が思い浮かべる生産方式だろう。需要を見込んで、製品を生産し、販売していく。商店街のパン屋も、横町のお団子屋も、見込みで商品を生産している。品、飲料、衣料、書籍、雑貨・・こうした、我々が日常生活で買う商品はほとんどすべて、見込み生産で作られる。携帯電話や自動車も、そうだ。こうした一般消費財をつくるメーカーは、TVでも新聞でも、たくさん広告を打つ。知名度を上げて、皆に買ってもらいたいからだ。だから私たちが「大企業」といわれて思いつく会社は、たいていが消費財メーカーだ。 そのせいだろうか、日では生産形態は見込み生産が普通で、受注生産は特殊だと思っている人が多い。じつはとんでもない間違いである。自動車を考えてほしい。トヨタ

    ATO、BTO、CTO | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2014/02/25
    モジュール化に対応した設計になっている
  • あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由 | タイム・コンサルタントの日誌から

    この10年間というもの、日の生産管理思想をリードしてきたのはトヨタだったといってもいい。長かった不況の間も、ほぼかわらずに大きな利益を上げ、東海地方をはじめ日の多くの製造業をひっぱってきた。その地位と威光は誰も侮れまい。おかげで、トヨタ生産方式も多くのメーカーの範と仰がれてきた。大手電機メーカーなどもきそって著名なJITコンサルタントを迎え入れ、「生産革新」の名の下にトヨタ生産方式を導入しようと努力してきた。 ところでごく率直に言うと、トヨタ生産方式を導入しようとして、かえって生産状況を混乱させてしまうケースを私は何度かみかけた。どうもそれは、トヨタの真似をしようとして、いくつかの前提条件を忘れてしまうために起きているらしい。そこで今回は、あえてその条件を5項目にまとめ、チェックリストの用に供しようと思う。名付けて、「あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由」である。では、まず

    あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない五つの理由 | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2014/02/25
    現代の生産管理における最重要問題は、需要(販売)と生産の両者をいかに同期化させるかにある
  • Pushで計画し、Pullで調整する | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしが以前から所属している「生産革新フォーラム」(Manufacturing Innovation Forum、通称「MIF研」)は、中小企業診断士を中心とした生産系コンサルタントの集まりである。毎年2回、工場見学を実施することをモットーとしており、昨年夏には慶応大学管理工学科の学生さんたちと合同見学会を実施したりした。製造現場をほとんど全く知らない学生と、それなりに経験を積んだ診断士では当然、同じ工場を見ても目をつけるポイントが違う。しかし学生さんにも素人ならではの意表を突く着眼点があり、交流してみるとなかなか楽しい。 そのMIF研で、もうけっこう前になるが、九州までの工場見学旅行があった。二日がかりでトヨタと日産の工場を一日ずつ回って見学し比較する、という興味深い企画で、わたしも行きたかったのだが、諸事情で参加できなかった。ただ、行ってきた仲間の報告が、とても面白い。トヨタと日産の生

    Pushで計画し、Pullで調整する | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 書評:最低限必要なマクロ経済学 野口光宣 | タイム・コンサルタントの日誌から

    最低限必要なマクロ経済学  要点だけで完全理解 野口光宣・著 (Amazon) 工学部出身のわたしが、会社に入って最初にやった仕事は、なぜか経済性分析だった。某電力会社の依頼で、液化天然ガス(LNG)と燃料メタノールの比較に関するフィージビリティ・スタディを、新入社員として手伝ったのだ。プラントの基計画と費用見積は先輩たちが行い、わたしの仕事はタンク容量の計算と、経済性計算だった。比較ケース数が200以上もあって、そこつなわたしは難儀したが、とにかくこのとき財務諸表の意味と、DCF (Discounted Cash Flow)法の基を、文字通り身体で覚えたのは、後々まで役に立った。 しかしその後も、経済学それ自体に対しては、縁が遠いままだった。むしろ経済学という学問には、何となく不信感みたいなものを抱いていたと言っていい。プラザ合意後の円高不況、そしてバブル経済の有頂天と、その後の長い

    書評:最低限必要なマクロ経済学 野口光宣 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 問題はミッドスケールのシステムで生じる | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしは株はやらない。自社の株ももっていない。内部から見ていると、勤務先の株価は内実を正確に反映しているどころか、ずいぶん奇妙なきっかけで大きく振れたり、いいトピックなのに全然上がらなかったり、実に不可思議である。だから他社の株価だって、ずいぶん実質とは関係のないところで動いているのだろうと想像している。価格が実質と関係の薄いところで上下するものを取引して利をねらう行為は、一種の賭博ないしゲームであろう。もちろん、賭博やゲームがいけないとは言わない。ただ、自分はそうした事柄は上手でないのを知っているから、手を出さないだけだ。 それでも、証券業界のアナリストがわたしの勤務先を評価しているのを読むと、さすがプロだと感心する部分はある。プラント・エンジニアリング会社というのは日に類例が少なく、しかも、ものづくりや販売力ではなく「プロジェクト・マネジメント」で稼ぐ業態である。普通の人には分かりに

    問題はミッドスケールのシステムで生じる | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2014/02/10
    ものづくりや販売力ではなく「プロジェクト・マネジメント」で稼ぐ業態
  • 社長で会社は決まる、のか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    以前から読まれている方はお気づきのことと思うが、このサイトでは個別の会社批評や経営者論は、まったく書かないことにしている。サイトの記事は、外部からは「経営」とか「ビジネス」に分類されることが多いが、特定の会社や経営者の批評をしない点が、たぶん他との一番の違いかな、と思う。ついでにいうと、ビジネスマンの居酒屋トークでもっとも好まれる話題の一つは、よその経営者批評だろうが、懇親会や飲み会で人と話すときも、その種の話題のときは、わたしはずっと黙って聞き役に回ることにしている。 数ヶ月前、昔からの友人と一緒に飲んだときにも、日を代表する超有名企業S社の業績不振が話題になった。というのも、彼はその会社に長らく勤めた後で、少し前に辞めたばかりだったからである。抑えた口調だったが、業績悪化の理由は経営者にあった、と彼はいう。かつて自分が勤め、また好きでもあった会社を、外人社長がいかに壊していったか、

    社長で会社は決まる、のか? | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2014/02/09
    大組織を動かすのは、経営者個人の判断ではなく、「システム」になる
  • オーケストラの指揮者かジャズ・バンドのリーダーか - プロジェクト・マネジメントの4つの類型を知る | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回、「プロジェクト・マネジメントの教育について」(2014-01-27)で、“PM教育の第1ステップは、自分たちが持つべきPM能力がどんなものかを考える”ことだと書いた。あるべき姿が決まらなければ、成長の道筋も決まらないからだ。当然のことである。 ところが、自分の組織に必要な『PM能力』というものに関して、どうも誤解が多いようだ。世の中にあるPM標準、たとえばPMBOK Guide (R)や、それに準拠した資格であるPMP(Project Management Professional)の習得が、「あるべき姿」だと想定している人も多い。あるいは、英国発のPRINCE2や、日のP2Mでもいいが、これら標準書を教科書のように思い込み、その教科書に自分の現実の方をあわせようとする。これは、プロジェクト・マネジメントの標準化活動がもたらした副作用かな、と感じる。 わたし自身もPMPの資格を持っ

    オーケストラの指揮者かジャズ・バンドのリーダーか - プロジェクト・マネジメントの4つの類型を知る | タイム・コンサルタントの日誌から
  • ハイボールと、本質的安全設計の教え | タイム・コンサルタントの日誌から

    質的安全設計』という言葉を聞いたことがあるだろうか。世間ではよく安全とか安心とかいったことを話題にするが、安全の意味をつきつめて考えている人は、必ずしも多くない。質的な安全設計とは、われわれがモノや仕組み(システム)を作る上で、欠くことのできない概念である。今日はこれについて少し述べてみたい。 機械の安全設計については、そのものずばり「機械類の安全性―基概念,設計のための一般原則」という名前の国際規格 ISO12100 が存在する。このISO規格によれば、機械類の安全は、『設計者対応』と『操作者対応』に分けられる。つまり、作る側による配慮と、使う側(消費者・操作者)による注意の、両方がいるというわけだ。ここまではいいだろう。 では、肝心の作る側(設計者)の対応は、どのように行うべきか。ISO12100は、 (1)質的安全設計によるリスクの低減 (2)安全防護によるリスクの低減 (

    ハイボールと、本質的安全設計の教え | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2014/01/20
    最初に5分間だけ使って、健康・安全・環境に関するトピックを紹介し、参加者みなの意識を高めるという習慣がある。これを、健康(Health)・安全(Safety)・環境(Environment)の頭文字をとって、HSEモーメントと呼ぶ。
  • 組織におけるルールはいかなる機能を持っているのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    今からちょうど800年前の1214年のこと。英国王Johnはフランス南西部から海軍船に乗ってブリテン島に向かっていた。当時、英国は大陸土のフランス側にも領地を保有しており、彼はそれを拡大する野心を抱いて大陸に兵を進めたのだが、あいにくフランス王(当時は領地は小さかった)の反撃に屈し、結局撤退を余儀無くされたのだ。ようやく帰り着いた彼を待っていたのは、貴族諸侯やロンドン市民からの批判の嵐だった。すでに大陸の領地はほとんど失われていた。残ったのは不名誉と、傾いた財政である。税金を課そうにも、彼の重税や放埓は、すでに皆が辟易していたのだ。 結局彼は翌年、臣下である貴族諸侯と、ある取り決めをかわし、文書化する。いわく、 * 王の一存では戦争資金のための税金を集めることができません * 国王は議会を召集しなければなりません * イングランドの国民は法と裁判によらなければ、生命や財産の自由をおかされ

    組織におけるルールはいかなる機能を持っているのか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 今年の抱負はこう作ろう | タイム・コンサルタントの日誌から

    新年である。新年というのは、『抱負』の時期である。個人・家族でも、友人でも、あるいは職場でも、集まりがあれば必ず「今年の抱負は」ときかれる。 もう一つ、新年は(少なくとも今年は)就活の時期でもある。就活ではこれまた、しばしば「入社後の抱負」なるものをたずねられ、あるいは書かされる。こうして、新年は抱負が世に満ちて氾濫する季節となる。 それにしても、抱負とはそもそもどういう意味だろうか。なぜ、心高まるはずの語句に、「負け」の文字が入っているのか? ちょっと不思議だ。そこで辞書を引いてみると、『抱負』とは、心にいだく“思い”や“こころざし”のことだ、とある。 じつは、「負」という漢字は元々、人が貝をかかえる形から来たらしい。貝殻は古代、貨幣の代わりであった。だから漢字では、財・貨・資・寶(宝)など、財産に関係する文字の部首に、貝が登場する。負という漢字も、人が何か大事なものを持ったり、かついだ

    今年の抱負はこう作ろう | タイム・コンサルタントの日誌から
  • クリスマス・メッセージ:折れない心をもつために : タイム・コンサルタントの日誌から

    Merry Christmas! 5年前から、大学でプロジェクト・マネジメントを教えるようになった。今年の前期は東大の大学院で、また後期は法政の学部3年生に教えてきた。それ以外にも、単発的に依頼されて話した事もある。個別のエピソードについては、すでに何度か書いたと思う。しかし全体として、何をどんな風に教えるべきか、いつも悩ましい。 悩む最大の理由は、大学生・院生が実務の経験をほとんど持たない事だ。共同で事に当たることがなければ、プロジェクト・マネジメントの必要性がピンと来ない。また、授業で例題を考えるにしても、ビジネスに関わるケースを採り上げづらい。だからいきおい、「たとえば、あなたが同期30人の集まるパーティの幹事になったとしよう」といった例になってしまう。 それでも、講義を数回聴いた学生は、しだいにその意義が分かる者が出てくる。アンケート用紙にも、「もっと早くからこういう話が聞きたかっ

    クリスマス・メッセージ:折れない心をもつために : タイム・コンサルタントの日誌から
  • 設計思想(Design Philosophy)とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    Kさん、久しぶりにメールありがとうございました。お元気とのこと、何よりです。ご活躍中の様子が、行間からあふれていました。生産管理の現業をかかえた上に、新規システム導入プロジェクトのメンバーの一員としてアサインされたとは、たしかに大変だろうとお察ししますが、それだけKさんが周囲から期待され一目置かれていることの証左だと思います。 ところで、Kさんからメールをいただくたびに、難しい宿題を投げられたように感じるのですが、今回は格別です。『設計思想に関して』のご質問とは! なるほど、たしかに新しい基幹業務システムを考える出発点として、“その設計思想はどうあるべきか”を問うのは、とてもオーソドックスかつ当然の発想と思います。自分達が製品を設計開発するときも、成功した製品には明確な設計思想があった。だから、プロジェクトを成功させたければ、当然システムにも設計思想がなくてはならないはずではないか。--設

    設計思想(Design Philosophy)とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2013/12/17
    設計思想(Design Philosophy)の文書とは、第一義的には、設計を決めるときに相反条件があって、あちらを立てればこちらが立たず、というトレードオフが生じる際の、判断の優先順位を決めたもの
  • モジュラー型 vs. インテグラル型--設計のアーキテクチャ再論 | タイム・コンサルタントの日誌から

    3年前に書いたサイトの記事「モジュラーとインテグラル - 製品アーキテクチャーの二つの方法」に、最近、読者の方から質問が寄せられた。良い質問だと思うので、ここでとりあげ、あらためて自分の考え方をご説明したい。 ご質問は、つぎのとおりだ(やや長いが、全部引用させていただく): 「車がインテグラル型アーキテクチャということは多方面で言われていることなのですが、すんなり納得ができません。 確かに、ボディ形状は独自設計ではありますが、ヘッドライトは他車種でも移植可能なものもありますし、内部のランプ単体については明かな標準規格品です。 また、ハンドルの入れ替えも(日国内法は別として)置き換え可能ですし、ワイパーやウィンカーレバーはメーカー内で汎用品になっていることが多いです。 タイヤは規格品ですし、ホイールやサスペンションも変更可能です。確かに社外メーカーが純正品規格に合わせて作っているからである

    モジュラー型 vs. インテグラル型--設計のアーキテクチャ再論 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • オプションが多数ある製品のBOMは、どう構成すべきか | タイム・コンサルタントの日誌から

    今からおよそ100年前、ヘンリー・フォードは世界で初めて自動車の量産をはじめた。それまで、自動車は富裕階級向けの特別な商品であり、ほとんどが注文生産だった。顧客は大きさや色をはじめ、様々な自分の好みをつけて注文する。メーカーはそれを受けて、個別に設計して製造する。当然ひどく高くつく。それでも買える人だけが顧客だった。ほとんど今の注文住宅のようなものである。 そのようなマーケットの常識を、フォードは完全にくつがえした。彼は黒色のT型フォードという、ただ一つの標準モデルを売ることに決め、そのための専用量産ラインを、当時としては画期的だった工程別分業体制とベルトコンベア方式によって実現した。この時に彼が言った、 「顧客の望む色はどんな色でも売ります--それが黒色である限り」 という、有名な文句は一種の標語となった。モデルを一種類にしぼり標準化をはかることで大量見込生産を可能とし、安価な製品で大き

    オプションが多数ある製品のBOMは、どう構成すべきか | タイム・コンサルタントの日誌から
  • タイム・コンサルタントの日誌から : Excelで工程表を書いてはいけない

    さる8月、翔泳社主催の「PM Conference 2008」に招かれて講演をした。テーマはプロジェクト・コントロールの技法論で、私が長い間、エンジニアリング業界とIT業界の二足のわらじを履いてきた経験から、両者の比較を論じたものだった。最近のIT業界における「プロジェクト・マネジメント」の認識の普及進展はめざましいものがある。これに対して、エンジニアリング業界は過去10年以上、EVMSの徹底化以外とくに主立った進歩はない。にもかかわらず、両者の違いはいまだ歴然としたものがあり、それはとくにプロジェクト・コントロールの基であるWBSやコントロール・リストなどの使い方で明瞭だ、というのが論旨だった。 ところで、この講演の中で、「工程表のガントチャートExcelで書いてはいけない」と強調した点が、どうも多くの聴衆の注意を引いたらしい。終わってからのアンケートでも、そこに関する感想が少なくな

    タイム・コンサルタントの日誌から : Excelで工程表を書いてはいけない
    northlight
    northlight 2013/11/24
    。プロジェクトの工程表とは、背後にロジック・ネットワーク・スケジュールを持っていなければならない。
  • プログラム・マネジメントは本当にプロジェクト・マネジメントの上位概念なのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回「プロマネの悩みは誰が解決すべきか」では、プロマネの悩みはプロジェクト・マネジメントよりも職制的に上位のレベル、“すなわち通常の用語では「プログラム・マネジメント」レベルでこそ対応すべき仕事である”と書いた。 ところで、今回はまったく逆のことを書こうと思う。すなわち、プログラム・マネジメントはプロジェクト・マネジメントの上位概念ではない、という話題だ。なぜこんな矛盾したことを書くのかというと、それは国際標準の概念規定に、じつは目に見えない混乱があるためだ。でも、まずは(いつものように)ちょっと別のエピソードから入って、斜めの角度でこの問題にアプローチしてみたい。 先週わたしのところに、プロジェクト部門から電話がかかってきて、「佐藤さん、出張精算書を今週中に必ず提出してください」と催促があった。先月中旬、そのプロジェクトの用件で中東に一泊三日の短期出張に出かけたのである。他にも仕事を抱え

    プログラム・マネジメントは本当にプロジェクト・マネジメントの上位概念なのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    northlight
    northlight 2013/11/24
    設計が完了するまでにどれだけの工数がいるのか、精度をもって見積もることができない。もし、これを一定金額の請負契約にしてしまうと、肝心の設計を詰める段階で、工数上限を理由に手を抜かれないとも限らない。