地方銀行の個人向けアパート・マンション建設融資が過去最大になったことは、優良な貸出先を持たない地銀の苦境を物語る。だが、地方では既に貸家の供給過剰も目立ち始めており、「貸家バブル」がはじければ、住宅市場だけでなく、地銀経営への打撃も大きくなりかねない。金融庁や日銀は警戒を強めている。【小倉祥徳、小原擁】 津市中心部から車で約15分の阿漕(あこぎ)町津興(つおき)地区。2、3年前まで新築物件が少なかった伊勢湾そばの住宅街は今、2階建てアパートの建設ラッシュに沸いている。地区内には昨年末に5棟が完成したばかりで、もう1棟も間もなく出来上がる。地元不動産業者によると、周辺では今後250戸分の新築物件が誕生する予定。さしずめ「アパート銀座」の様相だ。