スンニ派の盟主を自任するサウジアラビアと、シーア派の大国のイランの対立は、第三次世界大戦に発展する危険性さえある。 サウジ大使館襲撃の背景には、イランの国家意思があるだろう。大使館が焼き討ちされたのに、人的被害がないこと自体が不思議だ。襲撃が暴徒によるものではなく、指揮命令系統の存在が疑われる。ウィーン条約で大使館の安全を確保する義務を負っているのに、イラン側には襲撃を本気で防ごうという意思はみられなかった。 サウジは国内のイラン外交官に48時間以内の国外退去を要求したが、48時間では秘密文書を処分することはできない。関係先を捜索し、イランがサウジの政権転覆に関与した証拠を探す狙いがあるのだろう。