佐藤優氏(撮影/写真部・馬場岳人)この記事の写真をすべて見る 国有地の不適切な売却価格での払い下げで世間を騒がす「森友学園」問題と、獣医学部の新規開設をめぐる「加計学園」問題。二つの出来事の背後にあるキーワードが“忖度”だ。 その言葉の意味を辞書で調べると、「他人の心をおしはかること」(デジタル大辞泉)とある。本来であれば、悪いものではなく、むしろ尊ぶべき行為である。しかしそれは善意から積極的に行う場合のこと。それを逆手にとって、利益を得ようとする“悪”も世の中にはあるのだ。 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は、著書『悪の正体 修羅場からのサバイバル護身論』で、映画「人のセックスを笑うな」を引き合いに出し、“悪”の正体に迫っている。 登場人物のユリは、既婚者であるにもかかわらず、主人公の美大生・みるめに近づく。みるめは、奔放な彼女の性格に魅了され、夢中になってしまう。ユリは、みるめの好意