コロナ禍でにわかに注目を集めたMMT(現代貨幣理論)だが、急速なインフレが進行するなかで、疑問の声があがっている。MMTの主唱者であるステファニー・ケルトン教授を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が直撃した。 ロングアイランド湾に日が沈もうとする頃、ステファニー・ケルトンは、ロンドン大学の学生にバーチャルゲストとして講義を行うために身に付けた鮮やかな赤色のスーツ姿のまま、自宅オフィスの重厚な木製デスク上に積んだクッションの囲みの前に腰掛けていた。 そのクッションは、彼女が共同ホストを務める金融情報サイト「マーケットウォッチ」のポッドキャスト、「お金に関するベストな新アイデア(Best New Ideas in Money) 」を録音する際に雑音を遮断するためのものだ。 2022年初頭時点での「ステファニー・ケルトンらしさ」といえば、勝利を収めた一大ムーブメントにおけるスター的存在だった。ただ