年金問題が日本の未来に暗い影を落としている。高齢者の生活が年々厳しくなる運命は、もう2004年の年金改革のときから決まっていた。ただ、大多数の国民は、制度の複雑さゆえに、そのプランがかなり進んでくるまでに本当の厳しさを実感できずに来た。今、改めて2004年に決定された年金改革は、ひどく厳しいものだと思える。ここでは、なぜ、消費が増えないのかを考えながら、その犯人である年金改革の実態を明らかにしていく。 シニアが増えれば消費は小さくなる 最近、政府の景気判断、つまり月例経済報告は、個人消費が上向いたと認識を改めている。たしかに2017年に入って、消費の指標は改善が続いている。ただこれは、16年11月ごろからの株価持直しによる資産効果が理由かもしれない。 また16年冬は天候不順による生鮮食品の値上がりが消費の重石となったが、17年に入ってその要因が徐々に解消されたことが、消費を一時的に増加させ