環境テロリストとは、人間による動物の殺害や利益追求のために自然を破壊する行為を絶対に許さない。そして、彼らは動植物に依存する社会に警鐘を与えようと、人類のあらゆる営みに攻撃を加える。 2010年9月、世界最大のドキュメンタリー放送局ディスカバリー・チャンネルの本社で起こった人質立てこもり事件。同局に対し「地球を汚す人間の数が多すぎる。人間の生殖活動を抑制するような番組を作れ」と要求した韓国系米国人のジェームス・ジェイ・リー(43)の言葉には、21世紀の流行り病である環境テロの原理主義思想がにじんでいた。 「人間こそが排除すべき敵」という過激思想 環境テロリストの思想基盤には、全ての生き物が人間と同等の価値を有する「生物中心主義」の概念が溶け込んでいる。ノルウェーの哲学者、アルネ・ネス(1912-2009)が提唱した「ディープ・エコロジー」は、緑の地球を維持するために、生物中心主義を徹底させ